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もしもの未来、それでもあなたに桃をむいてあげたいと、入籍前に思う

あと一カ月ほどで、入籍をする。

最近、もしもの未来が頭によぎることが増えた。
過去お付き合いをして、この人と未来結婚するんだろうと思っていた相手もいたし、友達関係だったけれどなにかが違えば恋人になっていたかもしれないと思う人も、いた。
わたしの隣にいるのはもしもの未来の人たちではない。偶然。タイミング。縁。そんな言葉でしか言いようのない今、結婚をえらぼうとしている。

そんなに深く考えていたつもりはなかったのに、近づくにつれ、重さを感じるようになってきた。この人とこの先も一緒にいる安心をもらうと同時に、覚悟と、責任を。だからこそ、違っていたかもしれない未来がふと頭によぎるのだろう。わたしだけでなく、同様に相手にも、選ばなかった未来が存在した。

マリッジブルーというものなのか、お互い不安を感じることが増えた。恋愛なら今楽しいの積み重ねをすることが大切だったのに、結婚が現実味を帯びて、未来のことを考えるようになったからだろうか。今起こっている小さなほころびが、この先も未来永劫うまくいかないように思えて不安が肥大化する。

今なら後戻りできる。なにもかもなかったことにして、違う選択肢を取ることができる。もう少したつと後戻りできない。そんな感覚がゼロでないとは言い切れない。
決して違う選択肢を取りたいというわけではなく、それだけ相手に対してこれからの長い人生一緒にいるという決意をしようとしているからの感情だからだと思う。10年先も、もっというなら50年先のことなんて何もわからないわけで、先の見えないことへの不安は当然だよな、とも思う。

昨日、いろいろなことが一気に押し寄せて、彼のなにげない一言でぼろぼろと涙が出た。彼はわたしが思っていることを聞こうとしてくれたし、自分の不安だった気持ちも話してくれた、と思う。
とても幸いなことに、迷いなくこの先も進もうと思えるのは、なにかあってもこうして対話ができることへの安心があるからでもある。

もうしばらく、漠然とした不安をおぼえながら進んでいくのだろう。たしか、学校に入るときも、就職するときもそうだったよね。いまだに変わることへの実感はないけれど、人生のステージが変わろうとしているのだから、当たり前のことだ。

誰かのために桃をむいてあげるのは愛だといったのは誰だっただろうか。大丈夫、彼のためならいくらでも桃をむいてあげたい。

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