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初めての転職をした 春と夏を超えた

4月に転職をした。あっという間に、8月になっていた。もうずっと長いこと、今の職場にいるような気さえしている。
転職は、それはそれは、過ごし方が一気に変わった、人生の岐路といってもよかった。あたりまえだ、7日のうち5日、24時間のうち8時間ついやす場所を変えるのだから。

社会人になってから、仕事がはじまると、体調が悪くても眠れていなくてもそんなことをは忘れて、仕事モードのスイッチを入れる。仕事が終わると糸が切れて、何もできなくなる。休日は充電に一日を使い、ただただ眠って過ごす。
週5で働くシステムが自分の身体にそぐわないのだと思っていた。週5フルタイムではたらくことを選ぶということは、自分がすこし無理をし続けなければならない。そういうことなんだと思っていた。

そんなことはなかったらしい。

転職してから、体力と気力が残るようになった。仕事が終わって人と会ったり、休日に遊びにいく元気が残るようになった。少し本を読んだり、勉強したいことを勉強できるようになった。
仕事以外の時間を好きに使えることは、自分の人生を生きている感覚にほかならない。自分の時間をやっと取り戻して、日々が鮮やかになった。

今までずっと自分の心身のパワーが足りないから、どうしようもないんだと思っていた。でもどうやら、自分の身体だけが悪かったわけではないんだとわかった。
いや、きっと新卒一年目の私は、今の環境でも適応が大変だったと思う。年を重ねて、1年目2年目より自分の体と心をうまく使いこなせるようになっていて、だから今のタイミングも、よかったのだ。

7年も、長く自分の居場所だったところを手放すのはとても怖かったけれど、手放すと新しいものが入る。
ほかの場所でやっていく自分のことが想像できなかったけれど、きっと今の場所は私に合っていて、以前より毎日を健やかに過ごすことができている。

働き始めたばかりの自分にとって、以前の職場がマッチしていたように、数年たった自分が、違和感をおぼえはじめたように、
自分も組織も変容しつづけていく中で、自分とその時いる組織の歯車がかみあったり、かみあわなくなったりするタイミングというものが、きっとあるのだと思う。

休職をしたいわけではなかった、仕事がつらくなりたいわけではなかった。自分のできる範囲では、どうしようもなかった。休職をしなければ、転職をしない未来もあったのかもしれない。
ひとつ言えるのは、すくなくとも、自分でどうにかできる範囲を、自分で選んで、つかみとることのできた自分のこと、私は前より好きになれる。一年前の自分も、二年前の自分も、きらいじゃなかった。でも、今の自分のこと、そのときよりもっと、好きだっていえる。

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