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手羽先の日

名古屋めしというジャンルがある。
ざっと思い出すと、
味噌煮込みうどん、味噌カツ、きしめん、あんかけスパゲッティ、
ひつまぶし、天むす、ういろう。。。まだまだある。
インパクトがあり、その上、味わい深い。
手羽先も名古屋めしのひとつである。
手羽先というと焼き鳥を思い出すかもしれないが、
名古屋めしのジャンル的には、唐揚げである。
元祖は風来坊というお店らしい。
よく元祖論争が持ち上がることがある。発明者に対する敬意なのかもしれないが、元祖が必ずしも好みの味でない限り、無意味なことではないだろうか。。。
 そういいつつも、深追いしていくと、北九州がもとになっているときく。
全国的に展開したのは、”世界の山ちゃん”というチェーンといわれ、
風来坊出身者が開いたお店だという。
そうなると風来坊→山ちゃんという系譜があるということか。。。
そもそも、この”手羽先の日”というのも山ちゃんの創業記念日だ。
すると鳥良はどうなるんだろう・・・とか思ってしまう。

 鳥良は、SFPホールディングスが、1984年に東京は吉祥寺にお店を開き、現在では、75店舗ある。この会社は、磯丸水産を展開している(2009年〜)のでそちらの店舗のほうが目立つのかもしれない。

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一方の世界の山ちゃんは、株式会社エスワイフードが母体で、名古屋が拠点店舗数は香港・台湾などを含め82店舗(ホームページに公開なし)

山ちゃん


数では山ちゃんの方がやや上回るものの、名古屋の味を広めるという思いは変わらない。東京が中心の鳥良と名古屋が拠点の山ちゃんという違いがあるものの多業態であることは変わりがない。エスワイフードは今年の6月から”世界のやむちゃん”という新業態(中華料理)を手掛けるそうだ。

名古屋で毎年、手羽先サミットが開かれているが今年は感染症の影響で延期となっているが、まだ日程は公表されていないようだ。


ここで、過去記事を引用しよう
2017年の6月28日の記事である

手羽先サミットなるものが
開催された。
金賞は、サガミという外食チェーンがとった。
前回、金賞の 世界の山ちゃんは
どうなったのかと思ってよく記事を読んでみると
殿堂入り、ということで競わず。
ファンには申し訳ないないが、
シラけた感じがする。

東京には言わずと知れた
SFPチェーンがある。
鳥良はその会社が運営している
磯丸水産もこの会社の運営なので
どれだけ蔓延っているかわかる。
鳥良はこのサミットには不参加だが
それでいいと思う。

チェーン店の経営側のやり口には
私は興味がほとんどないが
なるべくなら、敬遠したい。

さて、手羽先は
フランス語ではailes 
翼である。
牛肉の時にも書いたが
部位は着目しないと言葉が生まれない
鶏はpoulet
フランスでは鶏の丸焼 poulets rôtis
人気で
特定の部位だけ食べる
、手羽先料理を示す言葉は、今のところなさそうである。

フィガロ紙が、数年前に
Le test des meilleurs poulets rôtis de Paris
パリで鶏焼きの一番美味い店を調べた記事があった
Un bon poulet rôti n'est jamais le fruit du hasard. 
フィガロ紙なのか、フランスがなのかわからないが
この料理に思い入れがあるようで
良い鶏の丸焼きは偶然の産物ではない
とのこと。
つまり、方法がきちんとあるとのことであるが
(北京ダッグのよう)
そう一筋縄ではない。
鶏肉を、焼くというシンプルな料理方法だけに
それをスペシャリテと呼ぶには理由があるはずなのだが
明確にはわからない。

何か隠し味やら、秘伝とかいう
漬物も、作り手によってかなり変わる

私がチェーン店に頭にくるのは
こういう暗黙知をそぎ落として
マニュアル化するからである。
これは、あんまり公言できた話題ではない
あくまで、個人的な感覚だ

自分にとっては、食べることは生きる根元であり
手段ではない。その感覚は人とは違うと思うからである。
食べるという、あるいは料理に敬意を払うのである
安易なマニュアル化は敬意を損ねた所業である
(あくまで自分にとって)

記事に戻ろう。
単純な料理がスペシャリテになるという。
この矛盾に対し、
記事では、ブリア サバランの箴言
焼き手は生まれつきである
を絶対視すべきではないという。
Assez en tout cas pour relativiser le célèbre aphorisme de Brillat-Savarin («On devient cuisinier mais on naît rôtisseur»). Car depuis le XIXe, les techniques de cuisson ont évolué encore plus rapidement que les chefs et les poulets.
なぜなら、19世紀になってから
シェフの腕も鳥の保存技術も格段の進歩を遂げてきているという。
この記事では
トップクラスの二店を挙げている
L'Ami Louis
と
Relais Plaza. 

それに続き
三店舗をあげる。

L'Ami Louis et le Relais Plaza. Deux experts ès poulets qui jouent dans 
des catégories très différentes, vieux bistrot frenchie terriblement 
snob pour le premier, brasserie cossue d'un palace pour l'autre. 
Avec des prix conséquents dans les deux cas, justifiés par la générosité
 et la qualité des plats, le panache de l'adresse. En même temps, et 
c'est ce qui nous ravit à Paris, ces gagnants sont talonnés par trois 
adresses aussi dissemblables que D'Chez Eux, Jeanne A et la brasserie 
Flottes, dont le seul dénominateur commun est le souci du bon produit.

採点方法を厳密にあげて
それこそ、付け合せに至るまで調査し、
覆面調査員を派遣する徹底ぶりである。
今度、パリに行ったら
poulets de rotis
をこの5店舗から選んで食べてみよう。

 私はといえば、鳥良の方がやや馴染みがある。
ただ、世界の山ちゃんの方が名古屋らしいとも思うが
どちらも店舗によって若干の味の違いを感じることがある。
同じ調理法同じ材料でも作り手の違いや、コンディションによって
微妙に味が異なる。まぁこちらの(食べる側の)コンディションもあるので
なんともいえないが、鳥良の方が比較的安定感がある気がする。

見出しの写真は BaffaloWings(麻布)からお借りした


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