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国際パスタデー
まえがき
今日は国際パスタデー。
上記のnoteでの課題に、この日は、世界のパスタをながめてみようという
では、眺めてみるが、その前にパスタを文化的に振り返りつつみたいな試みをしてみたい。
ローマ文化
古代ローマの影響力は、現代文明の様々な側面に色濃く残っている。ローマ字アルファベットは今や世界の標準文字として機能し、ローマ法の体系は近代法制度の基礎となった。建築様式、都市計画、そして食文化に至るまで、西洋文明の基層にはローマ文化が脈々と息づいている。
食文化におけるローマ
パスタとピザに代表されるローマの食文化は、単なる料理を超えて、人類共通の文化遺産となっている。特にパスタは、古代ローマの「プルス」から発展し、地中海文明の英知が結集された食として、世界中で愛されている。
ここで、ピザがちょっと疑問であるが、パスタはつまり小麦粉料理の総称である。ラザニアから餃子にいたるまでパスタである。定義がおぼつかない。
そういうことでいくと、ピザがどうなのかはまだ判然としないが、ここでは触れないことにする。
東西文明の架け橋
東アジアにおける漢字文化圏の形成と同様に、ローマ文化圏も言語や文字、法制度、食文化を通じて広大な地域に影響を及ぼした。両文明は、それぞれの地域で強固な文化的基盤を築き上げた。
その壮大な2つの文化圏をまたいでパスタを語れることが魅力であるが
まえがきの記事でも、漢かローマかいずれが発祥かはわからない。個人的にはローマ起源のような気がする。
Selon la légende, l'Italie devrait tout à Marco Polo mais les historiens ont établi très clairement qu'il n'est pas responsable de l'introduction des pâtes dans la péninsule italienne
少なくともマルコポーロは関係ないと思われる。
ローマ帝国が領土を広げたり、チンギス・ハーンが領土を広げたりして伝播したのではなく、おそらく平和的に伝播したと思いたいのである。
それは、イタリア移民の活動がそれを物語る・・・かもしれない。
ちょっと見ておこう
イタリア移民とパスタ
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、約800万人のイタリア人が世界各地に移住した。彼らが持ち込んだのは、単なる調理法だけではない。家族を中心とした生活様式、コミュニティの絆、そして「ママの味」としてのパスタ文化であった。イタリア移民たちは、新天地でも強固なコミュニティを形成した。日曜日の家族の集まりでは、必ずといっていいほどパスタが振る舞われ、それは世代を超えて受け継がれる家族の絆となった。
イタリアは、中国同様、家族を非常に大事にする国民性がある。
一人が移民になってうまくいくと、家族を呼び寄せる。そういった形でコミュニティを形成していく。(ほかの国もそうかもしれない)
さて、北イタリアは、生パスタが、南イタリアでは乾燥パスタが主流となっている。
世界のパスタ
ローマ文化にせよ、漢文化にせよ、その根っこにある普遍性がある。
パスタ料理は伝播したというよりも、根源的である。人類が農耕を初めて以来、自然発生的に生まれたと考えて良さそうである。小麦粉と水を練り合わせることで生まれる生地の扱いやすさ、保存性、いろんな調理法への適応性がある。だから餃子もパンもうどんも小麦粉と水から作るそれぞれの食文化的な表現形態である。
今日は、ペルーとリビアの料理を眺めてみよう。
ペルーの料理
もともとペルーの伝統料理はじゃがいもやトウモロコシを主食して、
豆類やキヌアなどのアンデス原産の穀物を組み合わせた料理だ。
イタリア移民の影響により、ペルー料理に影響を与えた。
タッラリーニ・ヴェルディ
緑のパスタを意味する料理で、ほうれん草、バジルをブレンドしたクリーミーなソースでパスタを和える。南米の新鮮なハーブの香りが楽しめる爽やかな一皿である。
リビアの料理
リビアの伝統的な食文化は、スパイスを効かせた羊肉や豆類を中心とした料理である。イタリアの影響によって ショルパ が誕生する。パスタとひよこ豆を組み合わせ、クミンやコリアンダーなどのスパイスで味付けした独特の一品である トマトベースのスープに、パスタの食感とスパイスの香りが溶け合い、地中海の味わいと北アフリカの風味が見事な融合・調和している。
上記でみた料理は、文化的融合の成功例であるが、それはパスタのもつ受容性の高さを示している。パスタは単純さゆえに各地の食材や調理法と容易に結びつき、新たな味わいを生み出すことができるのである。
まだまだ可能性を秘めているといってもよいだろう。
分子栄養学から
栄養素の特徴
パスタの主成分である炭水化物は、単なるエネルギー源以上の意味を持っている。デュラムセモリナ由来の複合糖質は、消化吸収が緩やかで、血糖値の急激な上昇を抑制する特徴がある[2]。
主要な栄養成分
タンパク質:14.5g/250g(茹で上がり時)[5]
鉄分:1.75mg/250g[5]
ビタミンB1:0.15mg/250g[5]
食物繊維:7.5g/250g[5]
生体内での代謝特性
糖質代謝
パスタの炭水化物は、他の主食と比較して消化吸収が緩やかである。これにより、インスリンの急激な分泌を抑制し、効率的なエネルギー代謝を促進する。
タンパク質代謝
パスタに含まれるタンパク質は、アミノ酸組成が優れており、ビタミンB群の存在により効率的な代謝が可能となる
健康への影響
エネルギー代謝
パスタは、以下の特徴により効率的なエネルギー代謝を促進する:
緩やかな血糖上昇
適度なタンパク質含有量
ビタミンB群による代謝促進
栄養バランス
一食分(250g)で、以下の栄養素を効率的に摂取できる:
1日のタンパク質必要量の約30%
鉄分の推奨量の約10%
食物繊維の推奨量の約25%[3]
このように、分子栄養学的観点からみると、パスタは単なる炭水化物源ではなく、バランスの取れた栄養素を提供する優れた食品といえる。
あとがき
世界のパスタを眺めてみるのは実に楽しい
ちょっと次回からのために例をあげておこう
ラグマン(ウイグル)
ウイグル料理の代表的なパスタ料理。手打ちの太麺に、羊肉や野菜を煮込んだスープをかけて食べる。スパイシーで香り豊かな一品で、中央アジアの味を堪能できる。
マントゥ(トルコ)
トルコの伝統的な餃子のような料理。薄い生地で肉や野菜を包み、蒸して作る。ヨーグルトソースやトマトソースをかけて食べるのが一般的で、独特の食感と風味が楽しめる。
チラキリ(メキシコ)
メキシコのパスタ料理で、短い麺を使用する。チリソースやチーズ、クリームなどと絡めて食べる、スパイシーでクリーミーな一品。
メキシコならではの刺激的な味わいが特徴。
コシャリ(エジプト)
エジプトの国民食とも言えるパスタ料理。マカロニ、レンズ豆、米を混ぜ合わせ、トマトソースと揚げたタマネギをトッピング。様々な食感と味わいが一度に楽しめる独特な料理
ソレンティーノス(アルゼンチン)
アルゼンチンの円形のパスタで、ラビオリに似ている。ハムやチーズ、時には鶏肉やキャラメライズドオニオンなどを詰めて作る。南米ならではの豊かな具材が特徴的。
フジ・ス・タルトゥフィマ(クロアチア)
クロアチアのイストリア地方の名物料理。手作りのフジ(管状のパスタ)にトリュフバターソースをかけて食べる。高級食材のトリュフの香りが贅沢な一品。