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【3分で学べる偉人の名言】快楽主義者「エピクロス」の“ストイックな”幸福追求方法
正義のもたらす最大の実りは心の平静なり
本日は私の好きな哲学者の1人である「エピクロス」の言葉である。
エピクロスは古代ギリシャ時代の有名な哲学者で、「快楽主義」でお馴染みの“エピクロス派”の哲学の始祖として有名。
快楽主義と聞くと、なんだか自堕落なイメージを持ってしまうかもしれないが、実際の生活や教義はそんな放埒なイメージとはかなりかけ離れている。
欲求を追い求めるのが「快楽主義」の在り方なのだが、「自然で必要な欲求」(友情、健康、食事、衣服、住居、等)だけを追求することで、苦痛や恐怖から逃れて自由な生活を手に入れようという哲学なのだ。
そして、「贅沢な暮らし」や、「富」や「名声」といったものを「必要でもない欲求」として、追い求めるものではないと否定している。
この辺りは「嫌われる勇気」という本で有名になったアドラー心理学とも少し似ているような気がする。
アドラー心理学では他人からの承認欲求を捨てることを徹底して説いており、「富」や「名声」であったり、「他人よりも裕福な暮らし」といったような、「人と比べて勝っているか」というところに固執している人は決して幸福にはなれないとされている。
エピクロスは他人と比べるような過剰な物欲や欲求を否定し、自然で必要な欲望のみを満たす生活をすることで「平静な心(アタラクシア)」を手に入れることを目指した。
最近流行りの「ミニマリスト」を紀元前からやっていたような存在がこのエピクロスなのだ。
自分にとっての必要最低限の欲求を満たそうと思えば、自ずと自分に正直に生きることに繋がる。
そうすることで、必要以上に自分を大きく見せることもなく、嘘で偽る必要もなくなる。
富や名声を得るためについた嘘や、不自然な快楽を追い求めることは「心の平静」から遠ざかってしまい、「いつかバレるのではないか」という不安に常に苛まれることになったり、「自分の幸福は誰かの不幸の上に成り立っている」と思ってしまうことで、常に落ち着かない気持ちになってしまうのではないだろうか。
アメリカの文化人類学者のR.ベネディクトが『菊と刀』という戦時中の日本人を観察した本の中で、日本人は「恥の文化」で生きていると考察している。
そんな“恥をかくこと”、“恥をかかせること”を極端に嫌う文化の中で「正直に生きる」ことは大変勇気のいることである。
だからこそ、それを成し遂げた勇気ある人にこそ“最大の実り”である「平静な心」を手に入れる権利が与えられるとエピクロスは教えてくれているのではないだろうか。
私もいつか「平静な心」(アタラクシア)を手に入れることが出来るよう、自分を飾ることなく、人を欺かず、今ある幸せを噛み締めながら生きていこうと思う。