
わたしを構成する5つの少女漫画
※この記事は、2020年5月9日に別noteに掲載したものの再掲です。

ぴよこさんを構成する5つの少女漫画は
日出処の天子
動物のお医者さん
うちのママが言うことには
オルフェウスの窓
いつもポケットにショパン
でした!
あまりに統一感なくてちょっと笑ってしまいますが
その中で印象に残った言葉が人生に哲学的に反映されていたり
自分の中のコンプレックスが何となく解決していたり。。。
そんな漫画を選んだらこんな感じになりました。
日出処の天子(山岸凉子)【LaLa/白泉社】
もう超有名ですので今さらですが、一応説明。
聖徳太子が主人公の歴史大作なんだけど、史実とはちと違う。
主人公は超能力者で、超天才で少女と見まごうほどの美貌の持ち主。
物語のスタート時はまだ10歳ほどの少年なのに、周りの老獪な大臣たちからも一目置かれ、影で国を動かして行きます。
超能力のせいで実の母に疎まれ、女嫌いに。
唯一の理解者・蘇我毛人を愛するようになり。。。
もう後にも先にもあんなに夢中になって、毎月の漫画の連載を心待ちにしたことってない。
当時中学生でしたが、毎月発売日に書店に走ったものです。
どれほど賢く美しく才気にあふれていても、それと幸せかどうかは同義ではない。
果たして幸せとは?
この物語の中には幸せと呼べる人は誰一人登場しないだけに、深く考えさせられました。
掲載誌のLaLaの読者のページに、漫画でパロディを作るコーナーがありまして。
このマンガは作りやすいのか、毎月のように載ってて、それも楽しみだった。切り抜いて取っておけばよかった。
高校時代の友人にこのマンガが好きな子が多くて、聖地巡礼で奈良まで行き「夢殿だわっっ!!」とか言いながら、みんなで記念撮影した。
すごーくオタクっぽい想い出。
私の住む名古屋市では、京都奈良って小学校の修学旅行で行くんですよ。
でも修学旅行時はまだこのマンガを知らなくて。
このマンガを知る前と知った後では、法隆寺の景色が全く違って見えて面白かったなぁ。。。
動物のお医者さん(佐々木倫子)【花とゆめ/白泉社】
これも有名すぎるけど、北大獣医学部を舞台に、学生や動物たちの奮闘を描くほのぼの漫画。
年頃の男女がいーーーっぱい登場するのに、誰一人恋愛関係にならないところがすごい。
でもなぜか違和感ないところが佐々木マジック。
高校時代、単行本が出ると速攻で買って読んでた。
高校の友達とは漫画の話ばっかしていたような。
そういう意味では佐々木さん的牧歌的な生活に足を突っ込んだ高校時代だった。
漆原教授や菱沼さんや清原くんなど、変な人がいっぱい出てきて、マイペースでいいんだなぁって楽になれたマンガ。
佐々木さんの作品は全部好きで、本当は一番好きなのは初期の忘却シリーズ。(わたしは勝久くんシリーズと呼んでた)
美人姉妹シリーズも好きだった。
うちのママが言うことには(岩舘真理子)【Young You/集英社】
一番好きな漫画は、「日出処の天子」か「動物のお医者さん」のどちらかだけど、一番好きな漫画家は誰かと聞かれたら、岩舘真理子さん一択。
このマンガは主人公と彼氏が結婚するまでのすったもんだと、結婚後のすったもんだについて書かれている。
彼氏の仕事が文芸の編集者で友人にも漫画の編集者がいて、手書きの原稿を作家の家に取りに行ったりしていた時代。
そう考えるともう結構前なんだなぁと思う。
同じく結婚生活をえがいた「えんじぇる」という作品があって、「えんじぇる」は見合いでお互いをほとんど知らずに結婚した夫婦が、そこから愛情を積み上げていく物語。
これはそれとは対照的に、大恋愛で結婚したはずの二人が、結婚後どんどんすれ違って行ってしまう。。。
結婚ってきっかけよりその後が大事で、そしてゴールではなくスタートなのだとしみじみ思った作品。
選んでみたもののこれが一番好きというわけではなく、岩舘作品はどれも好きすぎて一番好きって選べない。
「えんじぇる」は(アルのアプリに)出てこなかったので諦めたし、「アリスにお願い」や「キララのキ」を挙げたら、人格に問題ありそうで諦めたし(笑)
「まるでシャボン」「わたしが人魚になった日」・・・もう好き過ぎてこれ以上語れない。。。(いやもう十分語ったし)
いつもポケットにショパン(くらもちふさこ)【別冊マーガレット/集英社】
小学校高学年から中学時代にかけて、ずーっと愛読していたのが別マ。
いくえみ綾さんや紡木たくさん、亡くなられた多田かおるさんなどが、まだ新人だった頃から毎月読んでいた。
多田さんからはファンレターにお返事をいただいて、今も大事に取ってある。
別マで大好きだった二大巨頭が槇村さとるさんとくらもちふさこさん。
どちらも今とはちょっと作風が違っていたように思う。
ショパンに話を戻します。
このマンガは、世界的ピアニストの娘である主人公が幼馴染の男の子と別れ、再会した後、子どものころ見えていた世界が実際には全然違っていたという残酷な真実を知る、という物語。
名シーンだらけなんですが、中でも真骨頂は、ずっとうまく行っていなかった母親との関係が修復されて行くきっかけとなった
「麻子はシチューが得意です」
という言葉に尽きる。もう自動的に泣ける。
くらもちさんは「おしゃべり階段」もすごく好きだった。
どちらも学園もので、友人との関係性とか、もう共感ポイントの塊という感じ。
オルフェウスの窓(池田理代子)【週刊マーガレット→月刊セブンティーン/集英社】
世間的には「ベルサイユのばら」の方が圧倒的に知名度も人気もあるだろうけど、私はどちらかといえばオルフェウス派。
「ベルばら」の舞台はフランス革命ですが、こちらはロシア革命が舞台。
正義とか勇気とか雄々しいイメージのあるフランス革命に対して、ロシア革命は結構ドロドロ。。。おどろし~~い感じ。
この物語の主人公ユリウスを、最初から最後まで翻弄するのが、ロシア皇室の隠し財産だったりする。もう最後まで怖くて衝撃的。
ものすごく大勢の登場人物の人生が丁寧に描かれた壮大な群像劇。
ドイツからオーストリア、ロシア、そしてまたドイツと舞台を移しながら物語は進んで行きます。
中でも圧巻はロシア革命渦中の帝政ロシア。
途中、一番民衆のことを考えてるボリシェビキが迫害されて、ブルジョワでイデオロギーなんてないケレンスキーが台頭していき、資本家父娘のせいでとんでもないことになる。
もうそこからの理不尽さ!ううう悔しくて泣ける!
ケレンスキーやレーニン、皇帝ニコライ2世夫妻など、実在の人物もちょくちょく出てくる。
この物語でわたしが萌えたのは、ロマノフ王朝に巣食う僧侶ラスプーチンを暗殺するレオニード・ユスーポフ候のストイックさ。
主人公を支配下に置きつつ密かに愛してしまう。やせ我慢の男なのだ。
同じく侯爵家に生まれながら、革命家として生きたアレクセイ(主人公の恋人)と、ロマノフ王朝を守る体制側のユスーポフ候を対比させて、その間で揺れ動く主人公。。。
どっちもいい男で、どっちも命がけで主人公を愛していて。。。あああロマンだわー。
(でもうっかり史実に則った小説「怪僧ラスプーチン」を読んだら、実在したフェリックス・ユスーポフ候は全然軽ーい人物でガッカリ。)
あと好きだったのは、アレクセイの友人のおひげのズボフスキー。
薄幸なユダヤ人のガリーナとの純愛、思い出すと涙。。。
最後ドイツに戻って、登場する女性の中で一番好きなマリア・バルバラお姉さまに最後に訪れるロマンスにも萌え♡
ダーヴィト、やっぱ見る目あるわぁ。。。
正直、主人公(ユリウスとイザーク)にはあまり魅力を感じず、その分、つい脇役に感情移入してしまう作品なのかもしれない。
『オルフェウスの窓』の続編であの2人の子が出会う?
2025/1/31 追記
と、とんでもないものを読んでしまった!
なんと、池田理代子さんは『オルフェウスの窓』の続編を考えていたという。ほぼネタバレ的に結末まで話しておられるので、これ「描く気ない」ってこと???残念!
以上、長々と語ってしまいました。
もっと他にも好きな漫画いーっぱいあるし、自分を構成するとなると、本当にこれでいいのか?とも思いますが、でも5冊あげるならこれで。
少女漫画ばっかりになっちゃったんで、改めて少年&青年漫画も選んでみた。