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MoMA・ニューヨーク近代美術館展「モダンってなに?」(森美術館・2004年5月)

※過去の美術展のレビューです

2004.05.28 Friday
何かと話題の森美術館に、やはり話題の『MoMA』を見て来ました。

入り口で借りられるipodによる解説(¥500)は、なかなか充実した内容でお薦めです・・・ipodが欲しくなってしまうのが難点ですが(笑)

MoMA(The Museum of Modern Art)=ニューヨーク近代美術館
「この展覧会は、まったく新しい切り口とストーリーで、約290点の作品を紹介する展覧会です。『モダン』と呼ばれる時代の傑作たちが、現代のアートにもたらしている影響とは?」(MoMA パンフレットより)

4つのテーマ『根源に戻って』『純粋さを求めて』『日常性の中で』『変化に向かって』に沿って作品を見ていくうちに、作品の意味や作家の姿が浮かび上がってきます。

昔から見てきたこの作品にはこんな意味があったんだ!
そう感じるとき、不思議な感動すら覚えます。

モダンアートを理解すること、モダンアートを鑑賞する面白さとは、その背景を読み取ること。背景を知り、アーティストの生涯や思想を知ることで、その作品の奥に秘められたメッセージを読み取ることが、初めて可能になるのです。

この展示会において、印象派やキュビズムなどという従来の分類の仕方は、意味のないこととされています。むしろ、そうした時代や技法、表現方法が違っても、その中に流れる共通性を、見出すことができるのです。

森美術館は、森タワーの53F。世界で一番高いところにある美術館だとか。今回のテーマである「モダンってなに?」と問いかけられながら、エレベーターホールまで上ります。

MoMA(The Museum of Modern Art)ニューヨーク近代美術館展
森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
4/28(水)~8/1(日)会期中無休
開館時間 月・水・木 10:00~22:00 
     金-日・祝前日 10:00~24:00 火 10:00~17:00
入館料 MoMAのみ ¥1500 展望台とのセット ¥1800

こんなインスタレーションの展示がありました。キャンディがたくさん積んであります。

ひとつお取りください、と書いてあります。え、いいのぉ??って感じです。


さて、これにはどんな意味があるのでしょうか?

本当に、いただいて来ました(^^) 
中身は、普通の飴です(笑)

ムンク、ピカソ、マティスの傑作からひも解く、近代アートの新たな物語。

「モダンってなに?」は、ニューヨーク近代美術館(TheMuseum of Modern Art, NEW YORK, 以下MoMA)コレクションから約250 点の絵画、写真、映画、デザイン、および建築作品を紹介する展覧会です。

19 世紀末から現代にいたる近代アートの流れを一貫した説明でつづる本展は、森美術館2004 年度の重要な展覧会といえます。

キュビスムとシュールレアリスムを頂点とする芸術運動のヒエラルキーを確立した「近代アート」の考え方はその後、30 年以上にわたる世界のアート、文化、政治、社会の激変によって重要性が薄れ、時流から外れたものとなりました。

現在、近代アートは現代と関わり合いのない歴史上の一思潮とみなされがちです。そして「現代アート」という新しいカテゴリーに置き換えられようとしていますが、その関係は明白ではありません。

本展は過去と現在の新たな物語を作るべく、「近代」と「現代」の関係を探ります。19 世紀末から「近代」という言葉には多様な意味が含まれてきましたが、美術史上ではこのことが無視されてきました。

森美術館ではアート、デザイン、建築のカギになる作品を紹介しながら、120年前の美術や文化が今日の我々にとっても同じように大切であること、そこには連綿と続く根源的な要素があることを示します。

これまで近代アートの変遷を見るときには、とかく異なる技法の評価や運動、「~主義」ばかりに注目してきましたが、本展では新たな4つのテーマを設けて作品を捉え、時代によって多様に表現される美術のより根源的な視点に注目します。

1.「根源に戻って」では「不安」「孤独」「性」「死」といった私たちの生活に深く関わりあうテーマを、アーティストがどう表現したのかを紹介。(作家:ピカソ、ゴーギャン、ジャコメッティ、マティス、モネ、ルドン、ムンク等)

2.「純粋さを求めて」では20 世紀中頃、精神性や理想主義への関心が高まり、その結果様々な抽象的な作品が制作されましたが、そうした傾向が現代アートにどのように反映されているのかをみていきます。(作家:イヴ・クライン、ブランクーシ、カンディンスキー、モンドリアン等)

3.「日常性の中で」は私たちの生活に身近なマスメディアや広告イメージを使って表現された「ポップアート」と、ありふれた日常生活をテーマに制作する現代アーティストの作品がどのように関連しあっているかを浮かびあがらせます。(作家:ウォーホル、リヒター、ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズ、ジェフ・クーンズ、ジム・ダイン等)

4.「変化に向かって」では、作家が表現したい主題をひとつの形ではなく自在な創意で変化・変形させた作品を堀り下げます。(作家:ヨーゼフ・ボイス、マン・レイ、ミロ等)

これらのテーマを通し、今まで見えてなかった側面に光をあてる本展は近代アートの定義づけを明確にするだけではなく、ムンク、ピカソ、マティス、レジェなどの傑作と現代アート作品との関係も探りだします。 つづく

この日の日記


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