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国家経済が破綻するということ - 2022年8月のスリランカ旅行記
これまでQuoraというサイトで、日本経済について色々書いてきました。その中で、繰り返し述べてきたのが、国家経済の破綻についてです。
世の中には、マジで「日本経済は崩壊するから海外に移住しよう」などと言っている人が大勢います。そこまでではなくても、日本の将来は暗いと考える人が、日本人の99%くらいではないでしょうか。
しかしながら、経済が破綻すると何がどうなるのか具体的に知っている人は皆無だと思います。それで論ずるのは無責任極まりないように思います。
そこで、経済が破綻すると社会はどうなるのか、なぜ経済が破綻するのかをスリランカを実例に見ていきたいと思います。
さくっと旅行記
私は2022年8月に経済破綻中のスリランカに行ってきました。
スリランカはマジで経済破綻中で、暴動は起きているし、ガソリン不足がひどいとのことでしたので、正直あまり気は進まなかったのですが、いろいろあって行くことになりました。
スリランカに行くのは2回目です。前回に行ったのは、2014年でした。私はスリランカカレーが大好きなので、カレーを食べに行くのが目的でした。
経済破綻中のスリランカですが、8月には政治的動乱は収まっており、ガソリン不足も若干緩和されていました。6月が最悪で、そのときはタクシーすら全く捕まらず、自家用車もほとんど稼働できない状態だったと聞きます。
まず空港からリゾートホテルに向かったのですが、そのチャーターした車の代金も暴騰していました。ガソリン不足の影響ということです。
高速道路は日本や中国の支援によって作られていましたが、スリランカという発展途上国にとっては高規格すぎる(立派すぎる)高速道路のように思いました。
タイはスリランカより豊かな国ですが、高速道路なんて平らな広い道をしっかり舗装しているだけです。立体交差などは必要最小限しか作っていません。それに比べてスリランカの高速道路は、立体交差や盛り土がふんだんに使われて、まるで日本の高速道路のようでした。
立派な高速道路を数時間走って到着したリゾートホテルは素晴らしいホテルでしたが、コロナと経済危機の二重の影響を受けて、レストランなどがいくつも閉鎖されていたのは残念でした。かなりお客さんが少なくなり、苦戦しているとのことでした。
人々が暴動を起こしている映像が世界中に流れて、タクシーもろくに捕まらないと報道されている国に、わざわざ観光で遊びに来ようという人はめったにいないでしょう。
そのあとは首都コロンボに戻って、スリランカカレーを食べまくる日々となったのですが、首都コロンボのレストランはだいたい開業していてよかったです。高級店はガラガラでしたが、庶民的な店は普通にお客さんが大勢入っていましたね。
このブログはあくまで政治経済のブログですので、レストラン評は短評として末尾に載せるにとどめます。
8月の街の様子からはそれほど混乱した様子は見受けられませんでしたが、Grabでタクシーを呼ぼうとすると「追加で○○ルピーだ」と言われることはよくありました。ガソリンが配給制のため、正規運賃で走っていても、とても儲からないのだそうです。旅行者だからぼったくってるのもあるとは思いますが。
スリランカの人々からは、「日本で親戚が働いてる」とか「日本で働いたことがある」とか「日本で働きたいんだけど何とかならないか」といった声を毎日のように聞かされました。日本から見てスリランカは遠い国ですが、スリランカから見れば日本は親近感のある国のようです。
私が日本人だからだというのもあるかもしれませんが、中国はスリランカの汚職政治家と結託して、国の金を盗んでいく悪い奴と思われているようでした。それに引き換え、日本は真の友だと。世界中で日本が着実な支援を続ければ、世界中で分かってもらえる日がきっと来るのではないかと思いました。
最後にコロンボから帰るときに驚いたのは、国外脱出しようとするスリランカ人で空港が埋め尽くされていたことです。スリランカに入る飛行機はガラガラでしたが、スリランカを出る飛行機は満席でした。皆さんスリランカを逃げてどこに行って何の仕事をするのでしょうか。
とにかく仕事がないので海外で仕事をするしかないことがわかります。
では、どうしてこうなったのでしょうか、以下で分析していきましょう。
経済破綻の原因と分析
まず第一にスリランカは社会主義国であるということです。スリランカの正式な国号はスリランカ民主社会主義共和国です。
社会主義の国は、経済を国家がコントロールしているため、政府の舵取りが失敗すると、ひどい経済破綻や貧困につながりやすいという問題があります。
スリランカでは、為替やガソリン輸入を国家が管理しているため、国家の財政破綻が、外貨不足、物不足、ガソリン不足につながってしまい、社会情勢を不安定化させました。
自由経済では、為替が下がれば輸入品の消費が減り、輸出が増え、ガソリンも値段が上がれば利用が減ることによって、自動的にバランスがとられますので、為替下落によって急激に極端な物不足になることはありえません。
スリランカの主要産業は、観光と茶葉の輸出です。
コロナによって悪化していた観光業は、社会情勢の悪化によって壊滅しました。動乱の続く国、ガソリンの無い国に来たい外国人はいないからです。
茶葉の輸出は、頭のおかしい大統領が化学肥料や農薬を禁止して有機栽培を強制したことによって壊滅しました。
主要産業が二つとも壊滅してしまったことにより、スリランカの多くの人は職を失うことになりました。
このような最悪の経済破綻のなかでも、私は楽しく旅行できましたし、人々はなんとか暮らしていますし、スリランカルピーは紙くずになったわけでもありません。
日本政府が破綻したら、日本円は紙くずになって、日本は北斗の拳になって、日本人は全員餓死するか奴隷になるかするみたいに思ってる人が本気でいるのには驚かされます。
日本では、政府が破綻してもこのようなことは起こりません。自由経済では、日本政府財政と日本経済は別物だからです。ガソリンは不足しませんし、産業も崩壊しません。政府が破綻すれば、経済の混乱は生じるでしょうが、最悪でも不景気のひどいものが来るくらいでしょう。
アルゼンチンはこれまで何度も経済破綻してますが、まあ、なんとかやってますよね。ものすごい不景気ですが、なんとかやってます。
経済は破綻しても人生は続くのです。
コロンボの最新レストラン情報
最後におまけです。画像は貼るのが面倒なのでGoogle mapsをご参照ください。
Ceylon Curry Club
この店は、スリランカ料理に特化した高級レストランです。伝統的スリランカ料理から、ちょっと手を加えた独創的なスリランカ料理まで、幅広い料理を提供しています。
内装は非常に美しく、接客もとても丁寧です。カクテルも美味しく、料理も美味しいです。
味の面からも、その他の面からも、コロンボで最もおすすめのレストランです。滞在中に何回も行ってしまいました。コロンボ滞在は、この店を中心に考えるといいかと思います。
Palmyrah Restaurant
この店はホテルの地下にあって、知る人ぞ知るという感じのレストランです。接客は謎で、値段は高いですが、味は美味いです。
なぜかどの店にでもあるはずのライスアンドカリーのセットメニューがなく、構成要素を単品で頼まねばならないため高くつきます。その代わり、自分の好きな構成で頼むことができるので、良し悪しです。
そのなかでカラヴィラサンボールというゴーヤのサンボールが最高でした。これはコロンボに来たら絶対食べるべき一品ですね。
Curry Pot Restaurant
この店は、海沿いの店舗と、ちょっと入ったところにある二店舗があります。系列なのか暖簾分けなのかなんなのかわかりませんが、どちらも庶民的なライスアンドカリーのお店です。
海沿いの店のほうが活気があって店の人も親切で値段も安くてよいかと思いますが、どちらも味は悪くないですね。
庶民的な本物のライスアンドカリーが食べたいときは是非。
Herali Restaurant
歩いてきてたまたま見つけた庶民的なライスアンドカリーの店でした。
狙っていた他の店が、潰れていたり、異常に不潔だったりして、困っていたところに発見できた小さなお店です。
小さなお店だけど、清潔で、美味しく食べることができます。こういう庶民的なライスアンドカリーの店はスリランカ中にあるんでしょうね。片っ端から回ってみたいものです。
お店紹介はこんな感じです。ほかにももっと行ってみたい店は無数にあったのですが、時間がなくて十分に回れませんでした。また近いうちに遊びに来たいですね。