過剰なキラキラ摂取|シンガポール2024 #4
前回:マレーシアに行ってSUSHIを食べてきた
フラワードーム ガーデンシティ
行きて戻りしマレーシア後の昼過ぎ、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイである。
今やシンガポールの象徴にもなった近未来型植物園はライトアップショーも楽しめるキラキラスポット。調べていないのでそれ以上の情報はない。
最寄り駅から炎天下を歩くこと10分弱。人だかりのある入場口とおぼしき場所を見つけた。トイレだった。
再び歩くこと5分ほど。ようやく入場口を見つけた。何が最寄り駅だ。
気を取り直し、チケットセンターを見れば何種類かのチケットがあるようだ。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイと検索して出てくる毒々しい色の巨大植物的なものは、見るだけならチケットはかからないということを知る。
植物園としては「フラワードーム」と「クラウドフォレスト」という室内型植物園がメインどころのようだ。室内、つまり空調の効いた快適空間のようで、炎天下を歩き続けた僕らに選択の余地はない。
まずは北側のフラワードームへ。入った瞬間にパキパキと感じる冷気。むわっと香る緑の香り。
フラワードームは世界中の植物・花を集めた植物園で、アジア、アメリカ、アフリカなど大陸ごとに分かれて展示されている。特に日本ではあまり眼にすることのない多肉植物が豊富。
もともとシンガポールは別名ガーデンシティと呼ばれ、国家プロジェクトとして都市緑化・クリーン化を進めているのは知っていた。こうした植物園はその中心にあたるものなのだろう。そりゃ安全・清潔・涼しいという快適空間になるのも頷ける。
クラウドフォレスト 快適雨林
フラワードームの後、反対側にあるクラウドフォレストへ。
フラワードームと同様にパキパキに冷気の効いた植物園ではあるが、こちらは「人類が滅んだ後の地球」という世界観付き。緑に覆われたかつての文明という雰囲気の中、中心に巨大な滝があり、頂上からストーリーを追って見学していくという流れ。
クラウドフォレストの名前の由来は室内に覆われた霧。ミストによって室内がミステリアスに演出されている。僕らが入った時間がミスト放出タイムだったようだ。サイレントヒルのように視界が数メートルに限られており神秘的な空間。ゾンビは出なかった。
ストーリーとしては「温暖化が進むと海が干上がり世界中がこういう熱帯雨林になるぞ」ということらしい。少し前に流行った地球温暖化による滅亡ものといったところ。
だが、完璧に温度調整された快適雨林なのでいまいち説得力がない。こんな終末なら小躍りして受け入れよう。
快適雨林が快適すぎたので、日が暮れるまで快適した。そして高温多湿のもわもわした現実に戻ってきた。
スーパーツリーグローブ キラキラ
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの最後を飾るのはスーパーツリーグローブ、件の毒々しい巨大植物である。
このスーパーツリーグローブ、人工植物で上に上ればレストランと空中回廊がある。そして夜になると音と光のショー「ガーデンラプソディ」が見どころである。このガーデンラプソディがキラキラスポットのキラキラたる所以。
ツリーのライトアップがよく見える場所には、すでに所狭しと人が陣取っており、まるで上野の花見の席取りのようだ。出店もいくつか出ているので、巣鴨とげぬき地蔵の縁日かもしれない。
どうにか場所を見つけて待っていると、アナウンスとともに音楽が始まった。そして音楽に合わせてライトアップされたツリーの光たちが踊り出した。なるほどこれがキラキラか。
なんとなく雰囲気が分かったところで、ホテルに戻るため、マリーナベイサンズ方面へ移動した。
するとこちらはこちらで「スペクトラ」という音と光のショーが始まったところだった。まさかの音と光のショーのハシゴである。
移動途中、かのマリーナベイサンズの高級ホテル内を通過してきた。巨大な吹き抜けの中、リッチでデラックスでゴージャスな空間が広がっていた。無数にある部屋の一つ一つに、どれほどの資本主義が入っているのだろう。
この日の午前中はマレーシア往復、午後はガーデンズ・バイ・ザ・ベイという落差の激しい状況だった。
過剰にキラキラを摂取した日は、糖分を摂りすぎた胃もたれ似ている。Grabでホテルに戻りコンビニで買ったサンドイッチをもそもそ食べたらようやく消化できた気分。
サンドイッチ、美味っ。