外資系ITで働く人々
外資系ITの日本拠点の社員イメージで書いてみた社員イメージをもう少し深堀してみようと思いついたので、偏見もあるかも知れないけれど基本は実話ベースで。主に会社の成熟度で変わる働いている社員像の変化って大きいんですよ。
概ね会社の成熟度ってキャズムに倣うとこんな感じで分類すればいいかな。
立ち上げ期
知る人は知る期
死の谷期
早期イケイケ期
後期イケイケ期
マッタリ期
立ち上げ期
正直なところこのフェーズの会社に入ったことはないので当事者としては語れないけれど、その後のフェーズで同僚もしくは上司部下関係でお仕事をご一緒した経験で言うと、想像通り「くせもの揃い」の1択でOK。
営業職が生命線なのは別記事の通りですが、そもそも営業もCountry Managerもマーケティングチームも技術職も関係なく、とにかく日々何かを前に進めなければ日本法人そのものがなくなっちゃうし、人を集めるところからやってるので言い方は、アレですが「ブラックって何?ハラスメントって何?口を動かすより身体を動かせ。売れるものならなんでも売ってこい。引き合いがあれば要件がなんであれ、うちの商品で要件を満たせるように知恵を絞れ。ヒャッハー」って環境っぽい。
なもんで
とりあえず細かく管理されたくないし自由に出来そうだからいいかの「細かく管理するな」族
リスク高そうだけど給与高いからこそ行きますよの「報酬こそ正義」族
カントリーマネージャに声をかけられて前職からついてきた「言われた獲物を仕留めますぜ」族
日本進出前の海外での“知る人は知る期”に入って日本法人立ち上げで転籍してきた「ガチ本流」族
あたりが入り乱れていて、新卒社員はいないのは当然で、数字こそ正義ながらガチ本流の人も交えて本社との交流も濃く、自由というか「役割定義って何?それ美味しいの?それよりコレ今日明日で片付けないといけないからみんな手伝って」な日々のタスクやイベントを、今ならコンプラ的に厳しいかもなあ。って案件をこなしつつ生き残ってきた人達が多くて、その会社の名言や迷言、そして日本法人の暗黙のルールなんてあたりもこの世代から生み出されているし、生き残っている偉い人達はレジェンド待遇。そんな生存者バイアスが観察出来る世代です。
知る人は知る期
この辺りの世代もちょっと尖っていると言うか、基本的に外資IT系だと商品の言語やサポート体制がConsumer向けだと厳しいので、その辺りが相対的に許される(もちろん機能や性能が許せばですよ)Business向けに少しづつ認知度上げていく時期で、営業職でも海外の製品同行を気にしている“意識高い系”や、外資系ITのオープンポストへの感度の高い“外資系コロコロ軍団”、上司がカントリーマネージャに引っ張られてしばらく経ってまだ採用拡大しているので“リスクには目を瞑ってリターンにかけてみた層”が参入。
技術職も「カントリーマネージャの知り合いの技術系偉い人の引き抜き」から、芋づるで「技術系偉い人の使える部下」を経由して、報酬に不満がありそうな使える人達へのアプローチもよく見かけました。
コレ以降のフェーズでもそうなんですがリファーラル採用ってハズレを引きにくい上に、エージェント経由だと最近は仲介料が確定年棒のnヶ月分のコストも軽減出来るので合理的。
でも引き抜きすぎると当人の職業選択の自由を飛び越して会社間の「引き抜き禁止の申し入れ」みたいなのが繰り広げられるから要注意な。
結構この時期に入社した人達は社内で偉くなっても立ち上げ期のレジェンド達よりも“まともな人”が多い気がする。
死の谷期
もうね。業績が伸びないとビックリするくらい活気が落ちるし、お財布事情にも響くし、クビになるリスクも一気に高まるし、国内外含めて“とても偉い人”達が辞めたりアレコレあって気が気でないし、こんな時期には基本採用凍結(Head Count Freeze)されてるので、入れ替わった“とても偉い人”しかいないので基本気にしなくてよし。
でもこの後日本法人が生き残っていたら“とても偉い人”は何かやらかすために入ってきているんだから、よく観察しておこうな。
早期イケイケ期
死の谷期を乗り越えて生き残ったよ。ヒャッハー
新しい“とても偉い人”が国内の組織改編とか我が社の成長力へのポテンシャルを語っているよ。ってフェーズからリファーラルもエージェント経由も含めて採用が増えていくし、リクルーターへの採用数ノルマ的なものも増加。
ただ国内での製品とかサービスの採用実績も増えて、営業職以外のマーケティングもサポートも(生き残った)人員がそれなりに業務を回しているのでブラック感も減り、金銭的待遇を含めて次の転職先の選択肢に入れてくる“私の市場価値。えっこんなに”っぽいチャレンジャーも増えてくるけれど、日系IT(特に大手)からの応募はまだ少ない感じ。
外資系ITがどうこう以前に職種別採用なもんで、ライフタイムギャランティっぽい雇用制度じゃないのって結構抜け出すハードル高いのかも。
一方で日本の企業の95%以上を占める中小企業出身や、現業は異業種ですけどいいですか?なんて感じの身軽に問い合わせる人達が思った以上に入社していたな。
このフェーズの終わりから次のフェーズあたりで、Consumer向けじゃないので圧倒的に不足している知名度を上げるためなのか、テレビのCMだったり日経新聞あたりの紙面広告とか露出が増えてた。
後期イケイケ期
そりゃあもう。みんなバンバン応募するし、なんなら内定ヒャッホーですよ。新卒採用も始めました、新卒で月額コレだけって新卒の中でも勝ち組じゃね?って人達も増えてきます。
中途採用でも「あーこの会社なら知名度もあるし」って感じで、現状のスキルがなくても“実績“で応募し始める人が増えてくる。
採用には困らないですよね。知名度もあるし業績も伸びてる会社なんだからね。うん、頑張って一緒に業績伸ばそうね。
えっ頑張ったけど結果出なかった。結果は出なかったけど頑張りを評価してくれ。そんな人達が増え始めるのがこのフェーズの始まりあたりじゃないかな。
このあたりから自社イベントだけじゃなくて、他社イベントや共催イベントなんかで「ホゲホゲ執行役員が語るDXの秘訣」的なイベント告知広告あたりに社員の露出が増えてくるのも特徴な気がする。
マッタリ期
知名度のある外資系だし、給料も高いし、この会社ってだけで安泰だよね。って感じのその会社に所属することが目的の人達が“増える”フェーズ。
でもって早期イケイケ期あたりに入社して、無事生き残りホゲホゲ執行役員になった面々が、メディアやイベント露出なんかを通じて、外資系ITの日本法人のカントリーマネージャに転身したり、ITスタートアップ系に顧問だったりCXOに転身したりしがち。
会社の成長のおすそ分けで、比較的お金には困らない状態に到達した方々なので、安定より自分の力を試しに転出する感じなんですかね。
一方で知名度と諸条件なんかの安心感に惹かれて、その会社に所属することが目的な人達が参入してくるので、会社全体としては全体的にマッタリ傾向が加速して、アグレッシブなコミッション設定がマイルドになったり、成長率も鈍化しがちな気がするのがなんともかんとも…
そんな感じなので、金銭的なメリットを目的にするなら、外資系ITに限っての話かどうかわからないけれど“知る人は知る期”から“早期イケイケ期”に入れる会社を見つけて転職出来る人じゃないと、難しい気がするんですよね。
要はリスクとリターンの関係をどう捉えているかっと話に過ぎないんですが、あなたならどうしますか?
(今回のStable Diffusionさんの作品は、「ミュシャ風、会社の風格、好きな仕事」です。
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