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外資系ITの日本拠点の社員イメージ

イメージしてみよう

細身のスーツと先のトンガったピカピカに磨かれた靴を纏い
ツーブロックの爽やかな髪と顎ひげを丁寧に整え
仕事用には嫌味にならないGrand Seikoを身に付け
顧客向けにiPadでささっとプレゼンをこなし
ディールクローズの報告をiPhoneから更新し
ジムで日課のトレーニングをこなしてか
お気に入りのワインバーで1日の疲れを癒す。

そんな絵に描いたような社員なんてほとんど見かけませんが、優秀な営業成績を達成した人々の中にはこんな感じの人もいたりするので、あながち嘘とも言えないのが外から見た外資系IT企業の人物像だったりします(偏見)。

そんなイメージがどこから来ているかって考えると、その会社の初期の接点である営業だったり、営業に同行して技術的な提案支援をするSE(最近はSystem Engineerではなく、営業フェーズに特化したSales/Solution Engineerといった職種の方が多いかも)だったりするものですが、実際のところ「外資系IT企業」ってどんな役割で「内資系IT企業」とか「SI(System Integrator)」とどう違うんでしょうか?

外資系IT企業の役割を定義してみよう

そんな「外資系IT企業」を語る上で何が基本的な役割なのかって話を抜きではフワッフワの「ソレっぽい」お話にしかならないのでザックリ定義するとこんな感じ。

  • 海外で「製品やサービス」を開発し日本で販売している会社

  • ここで言う「製品やサービス」は、その昔はハードウェアであり、その後オープン化だったりネットワーク化を経てソフトウェアが、その後クラウド化なんかを経てアプリケーションが対象

  • 時代によって少しづつ変わってきているのは大体こんな感じ

    1. 初期はいわゆるメインフレームとかオフコンとかってやつを契約すると、その上で計算する処理プログラムだったりを作って維持するSEさんやハードウェアをメンテナンスするCEさんなんかもおまけでついてくる感じ。外資系ハードウェア(IBM、DEC、Unisys、SGI、NCR、Tandem…)も有れば内資系ハードウェア(NEC、富士通、日立…)もあったけど今って統合されて名前が消えたり変わったりしてるところも多いよね

    2. その後のオープン化とかネットワーク化の時代は、ハードウェアとUnixとかWindowsなんかのOSが分離して、OS上でミドルウェアとかデータベースとかも個別に選んで契約して、それぞれのソフトウェア単位でも契約する形態。各製品を売り込む外資の製品ベンダー、それらを組み合わせてお客さん毎の業務に適合させる内資系SI、人月商売の独立系システム会社あたりが、売り手/取りまとめ役/設計構築/運用維持とかに棲み分けて、外資系ITは売り手と製品特化のコンサルと製品サポートあたりが主な役割かな

    3. その後のクラウド化の時代は、既存のシステムをIaaSやPaaSに載せ替えつつ、SaaSなんかのアプリケーションの効果を最大化するために事業側を最適化するなんてDX的な取組みだったり、PaaSにあった仕組みに載せ替えた仕組みを変更してみたり、システムインテグレーションからクラウドインテグレーション的な役割に軸足を移しつつ、製品やサービスに特化した部分は外資系ITが主力であるのは変わりないけれど、クラウド環境でシステムの内製化の流れやDXなんて切り口では台頭してきたコンサルファームあたりが従来の取りまとめ/設計構築/運用維持あたりで勢力拡大してるね

なもんで外資系ITって
「日本国内における製品やサービスの販売」を第一に、
それに付随して「製品やサービスの利用拡大に必要な知見とかノウハウとサポートを“日本語”で“日本の商習慣にあう形式“で提供」して
「製品やサービスに特化した設計や構築を助言」する(コンサル)
あたりが基本的な役割ってことっぽい。


製品販売こそ存在目的

時代によって役割に違いがありつつも、外資系IT企業の日本拠点は「海外で作られたIT製品やサービスを日本で販売する責任を持つ拠点(それに付随する必要な事一式含む)」って事で、「数字こそが正義、売ったものこそが正義、売れる営業の俺を崇めよ、売れる営業の俺様が依頼するのだから社内の者どもは喜んで協力するのである」っぽい社員像が目についたりするのは存在目的からして必然。

だってわざわざ海外からコストをかけて進出するんですもの、市場としての可能性があるのは前提として、その製品やサービスをローカライズしたり拠点設置をしたりして投資する以上は、その市場での販売と利益を優先しなきゃその後の拠点維持もおぼつかないわけで、営業責任者としてのカントリーマネージャがまず任命とか採用されてその活動に必要なリソースを採用とか確保するところから始めるんですわ。

もちろん内資系だろうと販売こそ存在目的なところは営利企業である以上変わらないけれど、日本的雇用環境のコングロマリット的多角経営の一分野としてIT系の事業を営む会社や、製品やサービスじゃなくてその利用とか運用を「システム部門は事業に付随するコストセンター(要は事業のコアじゃないけど仕方なく使っている)事業会社」に人月商売でIT人材を送り込む会社あたりが中心で、自社開発のIT製品やサービスの販売が事業のコアとなっている内資系IT企業の絶対数が少ないって事が、製品販売に対する外資系IT企業の貪欲さを際立たせている気がするんですよ。

ほら、だってそんな外資の彼らが売れなきゃクビにして出来そうな別の人に入れ替えるのは良くある話だし、日本の拠点撤退もわかりやすい選択肢なもんですから、典型的なイメージの外資系IT企業社員のマウンティングを見かけた場合には「まあ頑張りたまえ。だが営業の君の言う事が正解とは限らないしむしろそれ君のポジショントークじゃない?でも僕らの生活のためにしっかり稼いでこいよ」って感覚を持って、みんな大好きクリティカルシンキング話法でマウントを取らせない、いやむしろ俺がマウント取るぞ。的な関係性でお付き合いしてあげるといいんじゃないですかね

(今回もStable Diffusionさんにお絵描きしていただきました)

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