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外資系ITで最低限必要な英語力の獲得

私の成人してからの英語力は、20歳の頃も24歳の頃も香港とかイギリスに彼女と旅行に行って、何やら英語で話しかけられてもサッパリ聞き取れずに、海外滞在歴数年の彼女に「アレ何言ってるの?」って通訳をお願いするレベルだったので、まあ底辺スタートなのは間違いないです。
そんな英語が多い会社員生活で生き残れた私が考える最低限必要な英語力ってこんな感じだったなぁなんてお話から、それ日本語運用能力の話かもしれないってお話まで。

どの程度の英語力だったか

20歳とか24歳は、海外で話しかけられてもサッパリ分からんレベルで、流石にこりゃヤバいなと思い始めて、自分の英語力を確認するべく25歳くらいだったかな?
毎週テレビでやってたセサミストリート観たんですけど半分以下しか理解できない。
でもそんなに実務で困らないんですよ。その当時は社内の技術問い合わせに対応したり、新技術の調査をしたりするのも日本語なんで。
日本でのインターネットの夜明け前後の1995年頃だし、IT系はイマドキはプロプライエタリって言うんですかね、製品情報は製品ベンダーが翻訳した紙のドキュメントなもんで。
海外との折衝も含めて社会人なりたての若僧が関与する余地もなく、英語の必要性は限りなくゼロ。
そんな中ある日突然、社内回覧でやってきた若手向けの2年間の海外留学制度っぽい案内があって、諸々の応募基準の一つがTOEIC560点以上。
そんなもん受けたことはないし、ぼんやりした危機感以上のものを感じたことはなかったんですが、急いで本屋に行ってTOEICとはなんぞやから調べ始めて、どうも応募までので間にTOEICの試験を受けられるらしいぞってことで3ヶ月ほど仕事終わりに英語の勉強したんですよ。初めて英語の語学力をつける動機ってやつです。
そして初めてのTOEICの結果は530点で見事初戦敗退しました。

反省点とか気付きとか

もちろん付け焼き刃でなんとかなるもんじゃないってのはあるんですが、

  • 英語力をつける必要性(意思・動機)

  • 短期中期長期のゴール設定(基準・計画)

  • 問われる日本語の語彙力(能力)

あたりがないと難しいなあって思いました。

意思・基準・能力ってあたりで「なんだ戦略を実現するのに必要な要素じゃん」って話でもあるんですけど、最初に必要なのって意思とか動機で必要性がなければ計画も能力も意味がない。
なもんで必要性だとか、それによって何が実現したいとかがないと能力獲得は難しいなと。
で基準・計画でどの時期にどこまでの状態を達成するってあたりの設定が曖昧だとか、目標が現状から離れすぎていて「そもそも今の貴方でそれは無理っす」な設定だと心が折られるか「俺様が願うこれが実現できない世の中がポイズン」な現実を呪う感じになっちゃう。
でもって最も大事なんじゃないかなと思うところの能力なんですが、語学習得力って母国語の語彙だとか表現力に依存するわけで、日本語での語彙(もしくは同じ事象への言い換え表現)が少ないとそのままの表現で伝えようとしてくじける気がするんですよ。
例えば最近はSAKEって言えば日本語で通じるけど、「ん?」って微妙な反応があった場合に、そう言えばワインも同じ醸造酒だな「kind of rice wine.」とか、ダイコンの漬物を「Japanese style of radish pickles.」って表現できる幅の話で、日本語でお仕事する場合も「ごめんなさい。何を言っているかよく分からないのですが」って反応があった時にシンプルに言い換える能力が、英語力を獲得する上でも重要なんだなと。

で、そんな反省点とか気付きを踏まえて

  • さまざまな頻度で英語が必要な環境に身をおく

  • さまざまな手段で英語が必要な環境に身をおく

  • さまざまな表現の日本語でのフィードバック(あるいはクレームとか要望)を伺う立場に身をおく

  • さまざまなフィードバックをさまざまな方法で伝える

あたりのことをやっていると、結果的にTOEICで900点くらいにはなるんですよ。
TOEICの初受験後は、たまに発生するスキルチェック(定期的に発生するリストラ向けスキルチェック)で7回ほど受けていて、最後が42歳で870点。
それ以降受験していないけれど、意思と計画と能力が噛み合ってルール仕事の仕方だったので、最後の受験でリーディングも時間に余裕ができている感じでしたよ。

聞こえないものは喋れない、知らないことは伝えられない

そんな経験の中でも大事だなと思ったのが、語彙力とフレーズ。特に聴き取りできないフレーズは理解以前に、それ以降何を喋っているのか書いてあるのかに意識を集中する邪魔になるので、聴き取れるようにするか頭の中で空白埋めのフレーズにして、文脈で補うかってのは日本語でも同じですよ。

なもんで沢山のフレーズを沢山のネーティブスピーカー(米英豪ではまだ甘い、星印中独仏西の英語話者もなかなか曲者揃いだし、日本の英語話者も曲者だ)の議論に参加するのが1番手っ取り早い学習方法です。

えっ、そんな職種がない?いやいや外資の日本法人でどんな職種だって、直接本社業務とやり取りする機会ってあるし、むしろ日本から参加すると喜ばれるんですよ。なんせ「品質にうるさくて妥協点が高い日本の顧客。でも沈黙しがちで実態がよく分からん日本人(の代弁者)が参加して意見表明する」ってなると、真面目に真剣に話を聞いてくれますし、むしろ時差を越えて毎週とかじゃなくても毎月参加するだけで、国内でも本社でも(その情報ギャップを持って)動きやすくなる上に最高の無料英会話レッスンになりますよ。
聞き取れない表現や知らない表現とかって”今まで触れる機会が少なかった”表現であることがほとんどなので、積極的に触れる機会を増やすだけ。

一方で

日本語での表現なり意味合いを適当に扱っている人達問題も当然あるのですが、それって母国語での語彙とか経験がそもそも足りないと思うんですよ。例えば「このサービス廃止についてお客さんからのコメントを英語でフィードバックしてください」なんてお題があるとGoogle翻訳あたりで翻訳したんでしょうね「I’m pleased to announce that…」とか普通にそれは困るってお客さんが言っている内容に反する喜びのSentimentで伝えちゃうとかあって、最低限定義が必要なのは社員のローコンテキストな日本語運用能力かもしれないなって。

結論

  • とにかく語彙を増やす

  • 語彙の少ない人は日本語でも説明が下手

  • 聞く機会を増やす

  • 話す機会を増やす

  • 書くべき内容を簡易な言い回しに変換する

なんだ。結局外資系関係なく普通に英語でコミュニケーションするための話と変わらんやないかー

(画像はStable Diffusion さんの考える、「クリムト風、黒船来航で焦る日本政府とプレッシャーをかけるアメリカ政府、横須賀沖の風景」です。中央と右のワチャワチャした物体がそれぞれの政府なんですかね)

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