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世界的なスタートアップも初期は酷かったという証拠
どうも、CAVの北尾です。
社内のメンバーが北海道に行ってる間、定例の会議が1つスキップになったので、久しぶりにブログを書いてみました。
(TwitterやSoundCloudもやっているので気軽に絡んでくださいー。)
さて、日々仕事でスタートアップに関連する多くの方とお会いするんですが、
特に、サイバーエージェント・ベンチャーズは、国内外のシード・アーリーステージの企業に特化してファイナンシャルなご支援をすることが多いので、
・これから起業をします。まだアイデア段階でホームページはありません。
・起業して間もなく、メンバーも2名で、人手が全然足りません。
といったような方々とも日々お会いします。
それぞれ最初は何もない中でも、心から世の中を変えてやろうという野心で、日々事業を前に進めようとされていますが、
今世界中で使われるようなサービスを作ったスタートアップも何もない中からスタートしています。
そんな世界的に有名なスタートアップが、最初どんな状態だったのかを、彼らのウェブサイトを通して、見ていきたいと思いますー。
Uber
初期(2011年)のUber はこんな感じ
現在(2016年10月)のUber はこんな感じ
うむ....。当時のサイトの方は、「この黒い車売ります!」っていう感じでしょうか。
しかしこちらUberの当時のサイトです。驚き...。
総額$8.71Bを調達してきたUber。ユニコーン企業の中で、時価総額No.1の地位を築く。今やスタートアップ界隈では知らない人はいないだろうというUberも、初期の頃はこんなシンプルなサイト。しかし、当時からユーザーへの価値は変わっていないですよね。
「いつでもどこでも」「数分でお迎えを」「楽に支払いを」
今でこそ、大きくなったので、海外どこでも使えたり、広めの車種を選べたり、誰かと割り勘で乗ることができたり(一部の国)、とますます便利になっているけど、最初のニーズを満たしたものは極めてシンプルだったことがわかります。
Airbnb
初期(2008年)のAirbnb はこんな感じ
現在(2016年10月)のAirbnb はこんな感じ
こちらも世界中のシェアリングエコノミー事業の代表となるようなサービス。
今やいろんなスタートアップがAirbnbのデザインを研究している気がします。でも、当時のAirbnbのサイトはこんな感じ...wow!! (当時はAirBed & Breakfastという名称。)
特に、「自分の家を他人に見せる・貸す」というのはサービスへの大きな「信頼」がなければ広まらないサービス。以前、Airbnbの共同創業者のJoe GebbiaはTED Talkの How Airbnb designs for trust でも「いかにデザインが信頼をするために重要か」を語っていました。しかし、当時のサイトを見ると、いかに紆余曲折したかがわかる...。
Evernote
初期(2010年)のEvernote はこんな感じ
現在(2016年10月)のEvernote はこんな感じ
現在世界で2億ユーザーを越えたEvernote。今やスタートアップ界隈を越えて、このサービスなしでは生きていけないというビジネスマンは世界中にかなり多いはず。自分もそのうちの一人ですm(__)m
「スマホやPCで取ったメモを簡単に共有できる」このコンセプトは今も変わらず、Evernoteの価値はそこにあると思うんですが、当時こんなサイトだったとは...。
DoCoMo Capital時代に、CAV米国のDaisuke Minamideもこの時のEvernoteにシリーズA(2009年)から投資をしていた、というから驚きです...。
初期(2005年)のFacebook
現在(2016年10月)のFacebook
現在16億5,000万人のユーザーを抱えるFacebook。今や同世代でFacebookのアカウントを持っていない人はほとんど見かけないです。
しかし、Facebook....あれ?あまり変わってない?今もずっとシンプルですよね。
ただ、当時Facebookが上記のような大きなビジョンを描いてたかというと、そんなことはないかと。
先日創業者のmark zuckerbergは、YcombinatorのHow to Build the Futureというラジオ番組にて、
「Yahooに$10Bで買収提案をされたときは会社のターニングポイントだった。当時大学ごとにサービスを広げていってることだけにフォーカスしていた中で、会社とサービスの将来にあらためて向き合わなければいけなかった。」
初期のFacebookのようなSNSは、Facebookが存在しなくても誰かがやっていたかもしれないけど、先日のf8の発表にもあったような今後のfacebookの明確なビジョンは、この会社だからこそ生まれたのではないかとあらためて思わされました。 (詳しくは、以前のf8のまとめ記事を。)
Spotify
初期(2007年)のSpotify
現在(2016年10月)のSpotify
ほぉ、Spotify。これはすごいw
シンプル中のシンプル。No picture, just text!!
先日日本にも上陸したSpotify。今や、会員数は1億人以上、有料会員数では4,000万人以上のサービスにまで成長。しかし、Daniel EKとMartin Lorentzonは創業時マンション一部屋から開発を始めたそうです。 初月はEKのマンション室内に置いたサーバーの温度が上がりすぎて、冬にもかかわらず、部屋の温度は80度ほどあったとか。もはや伝説ですね。でも確かに無料で音楽が聴けるという体験は極めて異例だったはず。
Spotifyの歴史に関しては、TechCrunchのこちらの記事が参考になります。
Paypal
初期(2001年)のPaypal
現在(2016年10月のPaypal)
Paypalさん、まじですか...。これは一番驚きました。
1998年創業のPaypal。現在サービス利用者が1億7,000万人以上にまで達するサービスとなったが、当時は以下のようなサイトです。今やEC利用時には欠かせないサービスとなっていますよね。
Paypalの歴史に関しても、こちらのTechWorldの記事がまとまっている。
他にも、YelpやYoutube, Skype等世界的に有名なサービスの初期がどんなサイトだったのか気になる部分は少しありますが、今回はこの辺で。
あらためて感じるのは、初期はサイト作りは最低限でいいということ。
むしろ、初期はサービス自体を前に進める(目の前のユーザーの声を聞く / 価値を提供する)ことにフォーカスをしてほしいです。
お客さんの声を聞いていくと、スタートアップのアイデアは基本ピボットする。お客さんが求めるサービスが本当に理解できていないのに、サイト作りに時間をかけても、そのサイトを無駄にしてしまうことになる。
Y combinator 創業者のPaul Grahamが言うように、
''The most important task at first is to build something people want.''
人々が求めるものを作りなさい。
と、シンプルだけどここに立ち返りますね。
なので、サイト作りに時間をかける前に、人々が求めるものを探してみましょう。
CAVでは、平日(水・金)の朝8:00~9:30の時間にカジュアルにサービスをディスカッションする時間があるので、お気軽にお声がけくださいm(__)m
北海道出張組が、おいしいお土産を買ってきてくれることを祈って、ドロンします。