母の認知症 お風呂のこと

 母が認知症になり、いろいろなエピソードや不安や苛立ちについて記しておきます。

 母が認知症になるまでは、生真面目でふざけたことも言わず、それでいて世間体は気にする。外面の良い性格だった。
整理整頓が得意というのとは、またちょっと違うのだが、使わないものはきれいに洗ったり、手入れしたり、次に使う時にさっぱりとした状態にし、ホコリや汚れがつかないようにぴっちり袋や箱にしまう。そして押入にしまう。ただ、しまう場所は空いている空間にしまうため、季節物もアチコチに点在する。
微妙な整理整頓タイプ。
衛生面では石鹸での手洗いはたぶん他人より長く丁寧に洗う。髪の毛が落ちているのが嫌ですぐ拾って捨てる。食事を作る時も髪の毛が落ちないように頭に手ぬぐいを巻くようにしていました。
 そんな母。
ある日娘が「おばあちゃん臭くない?」と。
気にしたことはなかったが、よく観察してみるとお風呂がめちゃくちゃ早い。
 いつも最後のお風呂を使っていた母はまず脱衣場で髪の毛を拾う。お風呂の洗い場で髪の毛を拾う。お風呂にはシャンプー、コンディショナー、ボディソープ、お風呂用洗剤‥などなど情報が多すぎる。
結局お風呂に入らず、髪の毛を拾い、排水口をタオルで拭き、出てくる。このルーティンだったように思う。
 母の寝室に入った時、枕カバーがとても汚れていたのは、そのせいだろう。
 洗濯物も自分の物だけは自分で洗濯していたため、いつから洗濯できなくなっていたのか正確にはわからないのだ。
 認知症のはじまりの頃は、わからなくなっていることを隠すために、わかりやすい言い訳をしたり、わからなくなっている自分を繕うことがあった。
 「私、分からんようになった。」と言えればよかったのに、プライドや負けん気は驚くほどバッチリ残っていたのだ。
 
 程なくして、デイサービスを利用するようになり、お風呂問題の負担は少し減った。

#認知症
#母の介護

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