台湾の若者とお金の価値観
台湾で日本語教師をしているPiroです。
昨日の授業でお金に関する話題を扱い生徒にお金に対してどのような考えがあるのか聞いてみました。
そこで上がったのは以下のような意見でした。
・人生の全て
・生きていくために必要なもの
・家庭での立場を表すもの
・人生の手段の一つ
・大切だけど大切ではないもの
全体としては、やはりお金が必要だという意見が多かったですね。
そこで、もしベーシックインカムとして毎月2万元(約7万円)もらえるなら仕事をするかどうか聞いてみると、大半の人が仕事を続けるという風に回答しました。
ちなみに正確な数字ではありませんが、外国人労働者を含む台湾の平均月収は5万元程度(約18万円)と言われて言われています。
ではどうして、生徒に毎月お金がもらえるのに仕事をするのか聞いたところ以下のような回答がありました。
・2万元では少ない
・もっとたくさん稼ぎたい
・親にお金をあげたい
・家を買いたい
・誰かと一緒に働くのが好きだから
ここでの意見には現在の台湾人の考えが色濃く反映されているのではないかと個人的には思いました。
仕事は好きではないからしたくないけど、たくさんお金は欲しいからもっと稼ぐために仕事をする、このような考えが台湾では根強いような印象を私は持っています。
そこで生徒にもし毎月100万元(約360万円)もらえるならどうするか聞いてみたところ、面白い結果になりました。
先ほどの2万元では足りないから働くと言っていた生徒達の多くが「100万元もらえるなら仕事をしない」と回答しました。
では仕事をしなければ何をするか聞いたところ、
・毎日旅行する
・美味しいレストランに行く
・株や土地などの投資をしてもっとお金を増やす
・友達と遊ぶ
・家を買ってのんびり暮らす
このような意見が上がりました。
中には100万元もらっても仕事を続けるという生徒もいましたし、自分で好きなお店をオープンするという風に答える生徒もいました。
質問から見えた台湾の若者のお金の価値観
これらの答えから私が感じ取った台湾の若者の価値観を一言で言うと、「昭和の日本」です。
別にそれを悪く言うつもりもないですし、批判するつもりもありません。ただ、似ている価値観として昭和時代に日本人が持っていた価値観に近いのかなと感じました。
どうしてそう感じたかと言うと、やはりお金は多ければ多いほど良いという考え方であったり、車や家を買いたいという考えが一昔前の日本とそっくりかなと。
今の日本では若者がお金よりも自分の時間を大切にするという傾向があったりするように、今後台湾でもこのような価値観にシフトすることは明らかだと思います。
そんな時にお金だけを見ていると人生の幸せや楽しみを見落としそうでそれだけは避けて欲しいな〜と一教師の立場から思いました。
もちろん、そんなに普段から自分の幸せを考えるという人も少ないかもしれないし、自分が大切にしている価値観に気付いていないだけで本当はコアとなるものを持っているとは思いますが、ぜひそれに早めに気付いて幸福度を基準とした生き方にシフトする事ができたら良いのではないかと思いました。
普段お金を気にすることはあっても、自分の価値観や幸福度について気にする機会というのは少ないと思いますので、皆さんも是非「お金を心配しなくて良いなら自分は何をするんだろう」と考えてみてください。
そこで出たアイディアを深掘りしていくと、本当に大切にしている価値観に出会えるかもしれません。