生きよ。感じよ。私はここにいる。
朝の少し冷んやりとした空気を肌に感じながら
散歩した。
道端の雑草や、道に迫り出す大木が、
だんだんと芽吹いて
ゆっくりと、少しずつ成長しているのを感じる。
私は沢山の命の中を歩いている。
毎日歩いていると、春になって凄いスピードで
それらが主張している気がする。
植物は自分からは動けない。
その場所に根ざして、
あるがままに、与えられた環境で逞しく生きていく。
光の射す方へ枝や葉を伸ばし、
伸びゆく先に障害物があれば
避けるように根を伸ばし、
気分屋の雨風に翻弄されながら
ゆっくりと育っていく。
木は、時に私よりもずっと長生きしていて
何もかも知っている長老のようだ。
聳える大木のざわめきの中を
さくさくと歩いていくと、
沢山のエネルギーを注がれる気がする。
そうそう。少しずつでいいんだよ。
ゆっくりと、しっかり根をはって
葉を伸ばしてごらん。
自分に大事なことを吸収していってごらん。
ほら、お天気の時も、雨の時も、
風の日も、嵐のときもあるけど
それが私を作ってきたんだよ。
私はこうしてずっとここにいるよ。
サラサラと流れる葉音が心地よい。
動物のように自ら擦り寄ってくることも
鳴くこともないけれど
木々の中を歩くと、その生命力なのか、
目に見えない力をもらえるようで
とても癒される。
人間が育てた植物も好きだけれど、
あるがままそこにいる植物に、私は惹かれる。
日々を生きよう。感じて楽しもう。
癒しを感じられる幸せがここにはあるのだ。