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ピロリ
2019年9月13日 22:33
この名前を知ったのは今日。綺麗な月だと思っていたが、まさかそんな名前が付いていたなんて、自分の無知さが露わになり、思わず苦笑いをする。1年で1番美しい月とされ、世間ではお月見をするらしい。けれど、僕はもっと綺麗な月を知っている。・・・『今日の月は綺麗だねぇ』自分のすぐ隣から、楽しげな声が泳いでくる。その声に釣られて、思わず僕も上を見る。星がちらちら光る空で、一際光を放つ丸い月。
2019年7月9日 23:01
家の近くに大きな川がある。水の上では光が跳ね、風が草花を優しくなでる。芝の上に寝転ぶと、優しい空気が二人を包む。わたしの手をあなたの手に優しく重ね、横顔にやわらかくキスをする。そんな二人の世界を上から太陽が覗き見て、顔を赤らめている。夜には川へと向かう人の川ができる。うちわ片手に、カランコロンと下駄が笑う。流れの中ではぐれないように、ぎゅっと君の手を握る。まもなく打ち上がる花火は君に嫉妬するだ
2019年7月6日 23:56
部屋を掃除している時、棚の上から何かがコロコロと転がった。見覚えがある。君がよく使ってた赤い口紅。僕の家に忘れていったもの。次来た時に返そうと思ってここに置いていたんだ。結局返せなかったなあ。そもそもなんでこんなところに置いたんだっけ。覚えてないな。あれ、これ、いつ忘れていったんだっけ。覚えてないな。あれ、最後に会ったの何月何日だっけ。別れてもうどれだけ経つんだっけ。僕らどんな話で盛り上がってたっ