なんで勝ってる? 今年のパイレーツ【先発投手編】
2013年から本格的にMLBを見始め、マカッチェンに惚れパイレーツファンになって早10年。はじめまして、ぴらてすです。パイレーツのスペルがわからないという方、「ぴらてす(pirates)」で覚えましょう。
今年のパイレーツ、強いですね。強いかどうかは正直わかりませんが、勝っているのは事実。まだ20試合程度ですが、今シーズンの好調の要因を紹介できればと思います。では早速。
なおnote初心者のため見やすい記事を作れていないと思いますので、その点はご了承ください。
【先発投手陣の好調】
今シーズンのパイレーツの好調の最大の要因は先発投手陣の好調にあると思っています。
4月25日現在、QS(クオリティスタート。6回3失点以内のこと)数は14回で全体1位。目下7連勝中ですが、そのすべてで先発に勝ち星がついていることからも「先発が試合を作り、打線がリードを奪い、リリーフがそれを守る」というお手本のような試合ができていることがわかります。
今シーズンの先発ローテーションの成績は以下の通り。
・MitchKeller 29.2イニング 防御率3.64 5先発、QS4回
・RichHill 26イニング 防御率4.85 5先発、QS2回
・VinceVelasquez 26.1イニング 防御率3.76 5先発、QS3回
・Johan Oviedo 24.1イニング 防御率2.22 4先発、QS3回
・RoansyContreras 21.2イニング 防御率4.57 4先発、QS2回
以上の5人ですが、開幕から約一ヶ月、離脱者なくローテーションが守られています。そもそもローテ当確だったブルベイカーがTJで離脱していますが、その穴も現時点ではほぼ完璧に埋められているでしょう。
各試合を見ても、先発が「大量失点」した時はリリーフも打たれ、得点も少なく大敗する。一方で先発が試合を作ったときにはリリーフも抑え、打線も最低限得点する、といった展開が多いです。言ってみれば「強い」というよりは「試合が上手い」といった具合でしょうか。4月25日現在で得失点差は+25ですが、クアーズでの対ロッキーズ3連戦で33得点しているのでそれを考えればそこまで多い得失点差ではありません。やはり接戦をものにできているというのが大きいでしょう。
QS4回と飛び抜けているのがエースのミッチ・ケラー。元トッププロスペクトですが、長年MLBでは苦戦していました。昨シーズン後半にようやく開花し、最終的には防御率も4点を切ったことでいよいよエースの本領発揮と期待された今シーズン。例年だと序盤数字の悪いケラーですが、ここまでは文句なしの投球を見せています。カッター24%、4シーム23%、シンカー21%と7割近くをファストボールが占める投球割合。カッター、4シームの被打率が2割を切っており今のところ効果的です。約14%投げているカーブも被打率.182、Run Value-1と効果的ですね。とにかく5球種をまんべんなく投げて的を絞らせないといったところでしょうか。(以下画像参照)
リッチ・ヒルはいわゆる「転売」要因。ベテランを再生させる「投手再生工場」パイレーツの手腕を発揮し、昨シーズンのキンタナのように活躍してもらってTDLでトレードに出すというのがある程度既定路線でしょう。リッチ・ヒルに関してはローテを守って防御率4.50くらいでやってくれれば万々歳と考えていたので、現時点では期待通りの数字かと思われます。
ビンス・ベラスケスに関しては今のところかなりの「嬉しい誤算」。防御率もそうですが、QS3回と試合を作ってくれています。
4シーム44%、スライダー42%とほぼ二球種で攻めていますが、スライダーのRun Valueがすでに-6と非常に良い数字。被打率も.132であり、この一番の武器を積極的にストライクゾーンに投げ込んでいっている印象です。(以下画像参照)
ヨハン・オビエドも「嬉しい誤算」。元々カージナルスにいた投手であり、22年TDL時にホセ・キンタナ、クリス・ストラットンとのトレードで獲得した選手の一人。メジャーデビュー自体は2020年で一応すでに3シーズンの経験はありましたが、カージナルスでは先発とリリーフの両方をやっていて最も多く投げたシーズンでも62.1イニングと経験としてはまだ多くはありません。そのためフルシーズンローテションを守れるかという点には若干の不安があり、特に終盤は疲労からの成績悪化や怪我が心配なところ。うまく休ませつつ起用してほしいとは思います。
そんなオビエドは目下防御率2.22とエース級の成績。4の3でQSと非常に安定しています。スライダー40%、4シーム32%、カーブ22%でほぼこの3球種で勝負。中でもカーブはRun Value-5であり、被打率.087と非常に優秀。スライダーも被打率.244ですがxwOBAは.222と優秀でRun Valueも-2。カーブは全体的にゾーン内真ん中から低め、スライダーは右打者のアウトロー中心に投げ込んでいるようです。印象としては武器であるカーブは積極的にゾーン内で勝負し、スライダーはアウトロー中心にボール球も振らせたい、といったところでしょうか。(以下画像参照)
ロアンシー・コントレラスは伸び悩むミッチ・ケラーに代わるエース候補という部分もあった投手ですが、ケラーが開花した現在は実力としては二番手候補。多少の「炎上」もあって防御率はまだやや高めですが、4の2QSとこちらも安定しております。今後数字を良化させ、シーズン終了時には防御率3.50くらいには収まっててほしいなあと思います。実力としてもハマれば2点台を目指せるでしょうから、エース目指して頑張って欲しいところ。
以上、パイレーツの現在の先発ローテーションの紹介でした。思いの外長くなってしまったので、今回はこのへんで終わらせていただきます。
紹介したように現在のパイレーツの好調の最大の要因は先発ローテーションにあると私は思っています。今までのパイレーツはとにかく先発の安定感が欠けていました。5イニング投げてくれればOKであり、QSなんて夢、先発に勝ちがつくのも珍しいといった状況。
しかし今シーズンは違います。先発が安定するだけでこんなにも試合が、シーズンが安定するのか、観ていて安心できるものなのか、と非常に気分良く観戦できていますね。
とはいえ、すべてをひっくり返すようですが、今シーズンここまでの好調の最大の要因は正直先発ローテーションではなく「対戦カード」にあると思っています。
ここまでの対戦は、レッズ、レッドソックス、アストロズ、ホワイトソックス、カージナルス、ロッキーズと、「負け越し」チームが多いのが事実。唯一明確に格上と言えるであろうアストロズも対戦時は不調。地区最大のライバルのはずのカージナルスも近年稀に見る絶不調であり、残りはレッドソックスがギリギリ勝率5割程度と、非常に対戦相手に恵まれていたのは事実でしょう。
というわけで、ここからがいよいよ本番です。26日から現時点では不調のドジャースと当たるわけですが、その後5月には最強レイズ、強力打線ブルージェイズ、「再建仲間のはずなのに共に勝ち越し!?」のオリオールズ、「再建仲間はのはずなのに共に勝ち越し!? その2」のレンジャーズなどと当たり、6月にはブルワーズとカブスという同地区勝ち越しチームとの9連戦などもあります。こういった勝ち越しチームとの対戦でいかに星を伸ばせるかが鍵となるでしょう。
とはいえまだまだ完全に再建期だと思ってたので、負けてもそこまでショックはありません。しかし再建が想定通りにいくかは不明であり、次いつプレーオフを狙えるかもわからないので、好スタートを切った今シーズンはこのままTDLまで勝ち越しを維持し、TDLでは買いに動いて是非プレーオフを目指してほしいと思います。
以上、長々とした拙い文章でしたが、お読みいただきありがとうございました。今後もパイレーツの記事を中心に時間があれば好きなことを書いていきたいなあと思います。今後とも何卒よろしくお願いします。
※note初心者であるため、特に画像使用などにおける権利関係などについてまだ詳しくわかっておりません。記事中に問題点があればツイッターの方で教えていただけるととても助かります。何卒よろしくお願いします。