【建築屋】アラフォールーキーの爽快4《中年時代》
30代に突入すると、子育ても落ち着きはじめた。仕事もいっぱしにこなせるようになり、時間的な余裕も徐々に生まれるようになった。
そして、会社にも変化があった。
私が転職したのは当初、プロパー5名程度の小規模な会社だったが、親会社に完全子会社化されその後、吸収合併された。更にその翌年には関連会社の組織編成が行われ、本体のグループ会社に組み込まれた。その結果、5名規模の会社に所属していた私は、選択の余地なしに、1000人以上が所属する会社組織に組込まれてしまった。
余り食わず嫌いはしない私だったが、それまで選択を避けてきたことがある。
それは大規模な組織に所属することである。
昔から直感的に性に合わないと感じていたからだ。それが、自分の意志の及ばない形でまぁまぁでかい規模の組織に所属せざるを得なくなったのだ。
当然戸惑ったし、不安も抱いた。そして直感的にそう長くは居れないだろうと感じていた。
しかし、いざ体験してみたら、さほどやり辛くは感じなかった。どちらかというと同僚や後輩なんかも一気に増え、より楽しくなった。会社としては完全なホワイト企業を謳っていたので、有給休暇なども完全に取れるようになって、プライベートに割ける時間が大幅に増加した。
ちょうど子供たちが小学生の頃だったというのも重なって、家族で大いに遊べるようになった。
春から秋にかけてはキャンプに出かけ、冬はスキー、スノボを楽しんだ。
また、会社が新潟駅周辺に移され、電車通勤を強要されたことで、当然の如く呑み会が増えた。
青年時代を仕事一辺倒で過ごしてしまった分の反動なのか、30代は遊びに生きた。当然自分の周りの人々も巻き込みながら…
結局そっちが楽しくて転職願望は薄れていった。楽しいうちに、あれよあれよと時は過ぎ、30代も終わろうとする頃、所属の部の宴会で私はこんな事を公言していた。
「学生時代は勉強辞めて遊んで暮した。
青年時代はほぼ仕事のみで生きてた。
中年時代の今はまた遊んで暮らしてる。
そうなると、次の壮年時代は…
また働く時代なんかなぁ?!
おれ40代からまた仕事頑張るわ。
なので、もうちょい遊んで過ごしまーす!」
なんて、冗談をその後もネタにしていた。
中年時代はとにかく楽しく、浮かれながら時を過ごしていたのだった。