東京ラブストーリー2020を考察する
「東京ラブストーリー2020」
Amazonプライムで配信されていたので、毎週楽しみに観ていました。
最終回まで観終えたので、考察という名のレビューを書きたいと思います。
※以下、最終回までのネタバレ含みます。
まず配役。これがすごく良かった気がする。
詳しくはこちら見てください。
声を大にしては言えないけれど、どちらかというと今流行りというよりはこれからブレイクするであろう若手。(これが株だったら即買うね。それぐらい良かった。)そして令和版なのに、皆どことなく昭和感が漂うルックス。視聴者が嫌うような役も敢えて持ってくることで、「カンチとリカにくっついて欲しい!」という期待感を持たせ、ストーリーは進んでいく。
個人的にはこのドラマ、セリフがめちゃくちゃいいんですよ。
リカがカンチに言った
一緒に暮らしていてもなくなる愛もあれば、死を以てしても、別つことのできない愛もある。一番重要なのは、お互いの心がぴったりくっついて、絶対に離れないこと。でないと、愛が溢れていっちゃうから。
私は一滴も溢さない。
というセリフや、はたまたカンチからリカに言った
俺はリカから逃げない!
という、客観的に見るとそれ嬉しいんか?みたいなセリフも、
カンチって、白いごはんみたいだよね。
白いごはんって、それだけでもご馳走なのに、どんなおかずにも合って、どんなおかずの邪魔もしなくて、毎日食べても飽きないでしょ?暫く食べないと恋しくて仕方なくなるし、どう足掻いたって嫌いになれない。
という可愛らしいセリフも。
それぞれのセリフが、それぞれのキャラとめちゃくちゃ一致しているんです。佐藤健の恋つづにあったような「ツンデレ」とか一切ない。ブレない。この一貫性が、見ていて気持ちが良かったです。
あと、ひとこと言ってもいいですか?
さとみ、職場でスマホいじりすぎ!!園児の前でそんな話するな!!傘、いま持ってくるな!!
以上。
このさとみのキャラも、ブレてなかったですね。。あざといとも言える回りくどさ。でも、女の前では強くて。結局、自分を愛してくれる人のところに向かってしまうところ。リカとよく対比されていました。
アドリブなのかな?みたいなシーンも結構あって、
リカがカンチにご飯をよそってあげる時に「350粒ぐらいでいいですか?」って言うシーンがあるんだけど、そこの可愛さたるや。
ストーリーはざっくり言うと、主に3つの恋愛が動いているんですが。
カンチ×リカだけの話でいくと
①カンチ、東京に出てきてリカと社内で出会う
→自分とは正反対の積極的な女性に、「東京の女」を感じる(笑)
②同級生のさとみに憧れを抱いていたが、なんやかんやリカと付き合う
③互いに惹かれ合った2人だが、リカとの大事な時にいつもさとみ(とその男)のいざこざに付き合わされて、喧嘩したりする
④リカ、突然の辞表提出→なんで相談してくれなかったの?また喧嘩する
⑤リカ、突然のニューヨーク行き
⑥NYに行っている間にカンチの心が次第に離れていく、さとみに気持ちが傾く
⑦リカが帰ってきてカンチの心が自分から離れているのを知る
⑧リカ、色々あり妊娠(元カレの子かカンチの子か。。)
→最終回へ
となります。こう書くとカンチはクズみたいな感じがするけど…劇中ではそれを微塵も感じさせない。(少なくとも、私はクズだとは思わなかった。避妊はしろと思ったが。)男らしくなっていく部分はあるけれど、中身はしっかりと「白いごはん」のままのカンチ。憎めない。
最終回を見るまでは、そんなにハラハラせず見られたのですが
最終回になってからの展開。。
妊娠を知った元カレからのプロポーズを「私は私の愛する男としか生きられないから」と断ったが、カンチには「DNA鑑定でカンチの子じゃなかった。和賀さん(元カレ)と結婚するんだ」と、伝えるシーンがありまして。
劇中で、リカは嘘が嫌いと言って怒るシーンがあったのですが、私はこのシーンに、リカなりの優しい嘘と、まっすぐな愛を感じました。
けれどその後、「やっぱやだ。。私、カンチじゃなきゃ嫌だよ。」と伝えたリカ。
私は「よく言った!それでこそリカ!」と思いましたね。やっぱり可愛げのある素直な女性は昭和でも平成でも令和でも最強。
そして最後に、やっとお互いの想いが重なったかと思いきや
リカはカンチの目の前からいなくなる。。
もうこの時、ドキドキが止まらなくて。あの時の感じに似ていた。昼顔の映画を観た時の感じ。。
でもリカ、その前にちゃんと言っているんですよね。
自分が愛してない男と生きるのも
自分を愛してない男と生きるのも
私の生き方じゃないからさ
と。
リカにとっては、カンチがさとみにちょっとでも気持ちが傾いた時点でそれはもう「愛が溢れ始めてしまった」わけだから、自分への気持ちが120%ではない今、自分を愛してない男と生きるのは自分の生き方に反すると。
そしてリカは、カンチの気持ちが自分の気持ちより上回らないことも気付いたんだろうなぁ。
私はあなたと居たいんだけれど
あなたを傷つけてしまいたくはない
私が一緒に居たいだけじゃダメなんだ
そういった気持ちにも受け取れた。。
この気持ちはめちゃくちゃわかる。そういう気持ちになったこと、ある。ある。
そして、多分だけど、お腹の子はカンチの子だったのかなぁと思うんです。
「これからは、私が世界で一番愛する男と二人で生きていくんだ」と言っていましたから。
きっと、カンチの子じゃないとそう思えないんだろうなって。
結果的に2人は別れてしまいましたが、カンチの最後のセリフから、それぞれの人生に期待が持てた終わり方だったのかなと思います。
互いに惹かれあい、想い合っていたことは事実。
「まっすぐに恋愛をする」ことは、「まっすぐに生きる」ことに繋がることを教えてくれた作品でした。