顔殴られて腕時計バラバラ
以前、NHKのドキュメンタリーで『半グレ』についてやっていた。
『半グレ』とは、暴力団に所属せずに、犯罪行為を行う集団のことだ。
この番組で私が一番衝撃を受けたのは、彼らの犯罪行為に有名大学の学生が加担しているということである。
具体的にはこうだ。まず、イケメン風の男子大学生が街中で若い女性をナンパする。そして、その女性と恋愛関係を装って親しくなる。親しくなったところで、半グレ勢力が運営しているバーとか居酒屋に連れて行き、酒を飲ませる。そのあと、酒の代金と言って法外な値段を請求。当然、女性は払えないから、風俗業へ紹介し、そこで働いて金を返すように脅す。
この時、女性の多くは、親や警察には相談しない。彼氏のフリをする男子大学生が絡んでいるからである。
風俗業の紹介料の一部を男子大学生がもらう。
同じ大学生というか、もう男として、人として、そういう奴には嫌悪感しか感じない。
人間じゃないのかもしれない。
まあ少なくとも、奴らは相手の女性を人間だとは思っていないだろう。
NHKの取材員が、そういった犯行をしていた学生に罪悪感はないのかと聞いていた。
学生は答える。
「こういった経験を就職などに活かしたい。」
はっはー。頭ぱっばかぱー。
そのまま半グレにでも就職するんかね。それなら役立つだろうよ。
まあ、こういう学生は一部だけだと思っていた。本当にごく一部、端っこの端っこだと。
でも、Twitterとか見てみると、このNHKの特集を見て、半グレ勢力に近づきたいと思った若者がある程度いたようだ。
半グレの豪勢な生活は、金のない学生や若者には魅力的に映ったのかもしれない。
なんでこんな世の中なんだろう?ここだけ見て世の中を語るのは視野が狭いだろうか。
色々原因はあるだろう。資本主義もとい拝金主義とか、若者の貧困とか。あのIS(イスラム国)だって、元はと言えば若者に仕事がなかったことが原因だと言うし。
でも、半グレに協力してたのは、有名大学の学生だろ?金には結構余裕もあるし、親も結構稼いでいるんじゃないか?
私は都内の大学に通っている。結構名の知れた大学だ。
入って驚いたのは、ほとんどの学生が私立高校出身ってこと。
私は、偏差値50もないような田舎の県立高校出身だ。いやもう、おぼっちゃま、お嬢様の多いことよ。
よく言えば擦れてなくて純真。悪く言えば世間知らず。後ろの方の席でオラオラしてる奴らだって、結構なおぼっちゃまなんだと思うと、なんか恥ずかしくなってくる。
そこで一つ疑問。彼らは殴られたことあるんだろうか。
私はある。高校の時、軽音部の先輩に。ライブの途中、なんか彼女とうまく行ってないギターの先輩が、フロアでお尻フリフリしてた私に殴りかかってきた。
先輩がこっちに向かってくるのは見えたけど、まあ先輩だしな。避けたら失礼かもなとか考えてたら、顔面に拳、食らってた。
結構な衝撃で、腕時計はバラバラになったし(なぜ!?)、先輩も手痛がってた。
そん時、私は、殴るってことがどんなことかってこととか、殴られた時の痛みってもんを知ったよ。
私の周りの大学生、一人一人がどんな人生を送ってきたかなんて、知らない。
だから、「みんなどうせ殴られたことないだろ!」とかいう、無責任なことは言えない。
だけど、やっぱり、殴られたことがないと、殴ることの意味も殴られた時の痛みも分かんないと思う。
哲学者ルソーも言ってた。「哀れみの情」。
「自分の痛みをもって、相手の痛みを知る。これが倫理の一番最初」って。
半グレに憧れてる坊ちゃん、
金のことしか考えてないお嬢さん、
就活がどうとか言ってるそこのお前、
一回、猫にでも殴られてこいや。
なんてね、暴力反対。
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