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傾聴・それぞれの人生のカタチ(高齢者施設)
今日は今年最後の高齢者施設での傾聴ボラだった。
この施設での傾聴は初めてだったので、予定では顔合わせがてら一緒にクリスマスケーキを作りましょう、と言われていたので、エプロンと三角巾を用意して行った。
行ってみると、台所の隅でスタッフさんがホットプレートでミニホットケーキを焼いている。もう始まってるのかな?
「さて、どうしましょうか」とスタッフさんが居住者スペースを見回す。5人ほどがあちこちでうつ伏せになったり宙を見たりしている。
「あそこのSさんが、よく立ち歩くので見守ってください」と言われ、あら?ケーキ作りは?と思いつつ、Sさんに近寄って話しかけた。
Sさんは95歳くらいで、入れ歯もしてないので何を話しているのか分からない。でも、なんとなく調子を合わせ、「今日はクリスマスですねー!」などと問いかける。フガフガフガ…何か話してくれているがサッパリ分からない。初めての経験だったが、適当に話を合わせ、話題を探る。セーターの色、壁の飾り付け、髪型、などなど、話しているようで、通じているとは思えない(笑)
本人はとりあえず笑ったり何か話してくれてるからいっか。
そうこうしているうちに、今度は隣のテーブルのYさんが席に着いたので、Yさんと話すよう言われる。はいはい。
Yさんはこの中では一番若くて81歳。
目も耳も大丈夫。
「ここでは話す人がいなくてね、スタッフさんは忙しいし、皆何を言ってるか分からないの」
私「良かった、今日は私に話してくださいね」と話が進んだ。長男2人を育て上げ、今はご主人は家でテレワークしている。ご主人が来るのが一番の楽しみと言っていた。色々なことが聞けた。1体1だからだ。認知も軽い。
Yさんは、私ばかりじゃ悪いから(傾聴)、と他の人も勧めるいい人だ。
その時スタッフさんが「今度はあちらのお2人を」と言ってきた。どうやらケーキ作りか食べるだけなのか、皆順番で台所に行ってるようだ。(アレ?私も食べていってください、って前に言ってたよな~笑)
スタッフが手薄になったスペースの話を聞く役目のようだ。
未亡人のHさん。男の子2人を育て上げ、「もう結婚もして奥さんに取られてるからいいの、別に会いたくないのよ。」と言った。私にはカルチャーショックだった。私なら子供に会いたくて仕方ないだろう。孫だって。
「ここが安全だし、子供たちもそれを知ってるから全然連絡もないの。どこに住んでるのかも分からないわ。でも近くに妹が住んでるのよ。ふふふ」とお上品な方。
そうなのか、寂しくないんですね。
向かいに座るIさん(男性)は、ご夫婦で入居中(大金持ちだ。父の時に調べたので、私は知っている)。96歳でもしっかりされていて、貧しい農家に生まれて、少年時代、青年時代の苦労や、人にもまれて育ったことが一つ一つ積み重なって、辛かったけどそれが自分の礎になっている、と流暢に話してくれた。人は人の中でもまれること。私の考えと同じだ。
あとから来たEさんとはあまり話せなかったけど、私の母と同じ歳(生きてたら)で、母が好きで着ていた紫の洋服を着ていて、途端に勝手に親近感。今度話しましょうね、といつの間にか1時間半が経っていたので皆さんにサヨナラした。
いつも思うが皆さん、終の住処と知りつつ、ここが安心なのよ~と明るく過してらっしゃる。私には分からない境地だ。
帰り際ふと見ると、不思議なことに、入れ歯なしのフガフガおばあちゃん2人が会話をしている!なぜ通じる?😳
でも私はお年寄りが好きなようだ。皆さん認知症だから、違う質問をしても同じ答えが帰ってくるのだが、施設がイベントで忙しくスタッフさんが手薄の時に、今日のように順繰りで話せれば一番いいかもしれない😊
傾聴と言うより、
なんか人生勉強になったなぁ…
色んな生き方があるんだなぁ…
でも入れ歯はしてほしいなぁ…
もう忘れられてると思うけど、覚えてもらえるよう来年も頑張ります(ง •̀_•́)ง