見出し画像

映画の楽しみ方 

今週友達と『ルックバック』という映画を見にいく。
全く物語は知らないが、どうやら漫画を描く話らしい。
本当にこれしか情報を知らない。ネットカフェで働いていているので、原作の漫画がある事は知っている。
絵を描く人が観ると色々刺さる所があるらしいので、何か刺激がもらえたら、あわよくば泣けたら良いなと思っている。

映画を見る時は、何もあらすじを調べないで行くことが多い。
友達に誘われて映画館に行く事が多いと言うのもあるけれど、自分1人で行く時も、映画館にふらっと寄って面白そうなタイトルやポスターだけを見てノリで選ぶ。

それでもし、自分好みじゃなかったとしても良いのだ。
「つまらなかった」という感想が得られただけで、新しく自分の事を知れた気がして満足感が得られる。
それに、あらすじを読もうとしたら結末を知ってしまった〜!なんてアクシデントも防げる。
映画館に行く時は、何も知らないどすっぴんのすっぽんぽんの心の状態で観るのが一番刺激を感じる事ができる。気がする。


ここまで書いていて、私は何のために映画を見るのかが段々わかってきた気がしたのでここで整理しよう。

映画の内容は二の次。
そもそも、結末が気になる週一のアニメと違って映画は2,3時間で起承転結全て終わってしまう。「結末が気になるから観よう」という感情にはなりにくい気がする。
この映画を見て自分や友達がどう感じたか、どのような心の動きをしたのか、どの部分で異なる考え方になるのか、などの自分(友達)の感情の移り変わりを知るために観たい派だ。
…というかこっちのタイプの人が多いのではないかとも思えてきた。

そして必然的に、映画を友達と観た後は絶対にカフェに行きたい派という事にもなる。
共感も嬉しいが、反対意見が出てくるともっと嬉しい。同じ映像を、同じ環境下で見ていた筈なのに、こんなに感じる事が違うなんてなんて人間は面白いんだろう。と毎回思える。

私は映画で泣けない派なので、映画で友達が泣いた時、どこの部分で涙が出てきたのかが一番気になる所だ。
映画を見ていて「製作者はここで客に泣いて欲しいんだろうな」と思えるシーンは何度か出てくるが、そこのシーンではない所でも泣く人もいるので面白い。

気になるのは友達の思考だけではない。同じスクリーンにいる人達全員の思考回路を聞いてまわりたい程だ。
だが、当然ながらそんな事をすると通報される。当たり前だ。けど聞きたい。そんな時っ…!
エンドロールが終わってゆっくりと照明が明るくなる時の周りの客の声に耳を澄ませる。

ところでこの記事をお読みの皆さんは、照明が明るくなって隣の友達と目があった後の一言はなんでしょうか。
自分から話しかける?相手が口を開くのを待つ?一息ついて「よし出ようか」と、スクリーンを出るまで映画の内容には何も触れませんか?

私は大抵「すっごく面白かった〜!」とスクリーン1早く口に出す様にしています。

なんで少し嫌味な言い方なのかというと、さ。
映画が終わった後のあの喪失感、非現実から急に戻され、ふぅと息を吐いた後のあの空気感、居心地悪く感じてしまうのと、
スクリーン内で誰が声を最初に出すかの空気読みが苦手だからです。
どうせ気まずくなってしまうのなら私が1番最初に声を出す行為をしてしまえば良いのではと思い、皆んなに聞こえるように少々大きめな声で好感の感想を言っています。(笑)
大体その後の友達の返答は共感で返ってくるのでそこから話を繋げやすいし、空気読みをする必要も無いから一石二鳥かなって!
(余韻に浸りたい派の人には邪魔な存在かもしれないけれど。ごめんなさい)

そして、私が声を出すと自然と周りの客も話を始めるんですよ!
そこを1番求めていた。
色んな人が感想を言い始めた時の至福ったら他にないです

そういえば、この作戦が通用しない作品が何個かあって、その一つが『ミッドサマー』の監督であるアリ・アスター氏の新作『ボーはおそれている』を見た時。
まぁアリ・アスターなので内容が理にかなっておらず、終始「???」となる作品だったのですが、終盤になって出てきた物が衝撃的すぎて開いた口がエンドロール中も塞がらず、明かりがついた途端
「…何だったの?????」と友達と口を揃えて言ったのを覚えています。
これは定型分では収めきれませんでしたね(笑)
友達との考察がはちゃめちゃに捗りました。


1人で見る時は小さなスケッチブックを持っていく。
友達と意見交換ができない分、スケッチブックに、気づいた感情や思いついた事、映画の考察などをメモしたりスケッチしている。
人に話さない分、折角思いついたものも映画を見ているうちに忘れてしまうので、興味がある方はやってみてもいいかもしれない。多分違反行為じゃないはず。

恋愛映画についても語ってみようか。
2年前に友達に誘われて、“その年1番泣ける恋愛映画”と呼ばれている物を見に行った。
正直全然面白くなかった。
俳優の演技は凄い良かったけれど、どことないお涙頂戴感、予想できそうなありがちな設定と結末、こうしたら儚いだろうという演出、BGMなど制作人の考えが丸見えだった。

私は恋愛をした事がないので、映画の主軸である『誰かに恋をする感情』が理解出来ない分、全く感情移入が出来なかったという点もあるだろう。
隣で見ていた友達は泣いていたのに、私は「早く終わらないかな」と思ってしまっていた。このスクリーン内で私だけが宙に浮いて、天井を見ていた。
「このスケスケな内容でも泣けてしまうほど、恋愛感情への共感という物は強いのだろうか」とか思ってしまっている自分がそこにいた。

こうなってしまった時、1人ならば帰って終わりなのだが…友達との意見交換の際困ってしまう。
全否定になってしまうからだ
いくら異なる意見交換が好きとはいえ、泣くほど良いと思った映画を友達に全部否定されたら誰でも嫌だろう。
この日から、恋愛映画を見る時は1人で観ようと決めている。
(しかし大抵の映画には恋愛要素が入っている🙁ぷん。)
泣けそうな恋愛映画がありましたら、ぜひ教えて欲しいです。1人で観ます✌️

そしてこの恋愛映画、ノンフィクションモノだったのだが、そこでも気になる点がある。
映画を見終わった後、ネット上での評価コメントを見ていて、「これが現実で起きた事だと思うと涙が止まりません」とあった。
現実に起きたかどうかでそんなに感情が変わる物なのか?もしこれがフィクションだったらその感動は無くなってしまうの?恋愛映画だからなのか、どうゆう原理なのか単純な疑問だ。

色々ぶつくさ言わせてもらったが、恋愛映画は私には合わないという事が知れたし、これから私に合う恋愛映画を見つけるのも良い。映画を見る事は知らない自分に出会えてやっぱり面白い。

映画館自体が好きだ。
ポップコーンとご飯を買って(何も食べずに観るのも大好き)スクリーンに向かう静かな廊下は、ボス戦が起きる前の静寂の様で好きだし、席に座って広告を見ながら友達と小声でツッコミを入れ合う瞬間も好き。

ちなみにポップコーンはキャラメル派。
飲み物は無し。(トイレ行きたくなっちゃうから)終わった後には口はパサパサ。だがそれがいいのだよ!

とか、つらつら書いていたら3000文字付近になってきてしまったのでこの辺にします。『ルックバック』、楽しみだなぁ。



いいなと思ったら応援しよう!