[日記]お笑いライブを見てスポーツを応援する人の気持ちを分かりかける夏
子供の頃からスポーツはするのも見るのも楽しさを良く理解できなくて、テレビの前で贔屓のサッカーチームの試合結果に一喜一憂してる叔母に「何がそんなに面白いの」と聞くような可愛げのない姪だった。
そんな私がつい先日、そうやって誰かを応援する、応援したくなる気持ちを分かりかけた。
オリンピックでも甲子園でもなく、お笑いのライブで。
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毎週欠かさず見ているYouTube生配信番組「三拍子の生漫DAY」に、ある日、若手ゲストとして現れたきつね日和。
三拍子の高倉さんが音声配信アプリRadiotalkで偶然知り合った漫才コンビ。高倉さんが自分と同じ北海道の帯広出身の芸人さん(黄色いスーツのおいなりさん)が相方の松本さんと配信をやっているのを偶然見つけて興味を持ち、チャットにコメントを書いたのが交流の始まり。
※その生配信のアーカイブ(2021.4.16)
https://radiotalk.page.link/HvsvmiNbmUZwrj999
上の生漫DAYアーカイブできつね日和のネタを見ることが出来るのだが、「ダメだろーー!!🦊👉💥」と言う一度聞いたら忘れないツッコミが印象的でおもしろく、その後の三拍子とのトークも何を話したかは忘れたけど楽しかった。
ツッコミなのに突っ込むタイミングを見失いがちなおいなりさんと、それをサポートする松本さんの対比がおかしかったような気がする。そしてそんな2人がリラックス出来るように、2人の魅力を引き出せるように話す三拍子は良い先輩だなぁと思った記憶がある。優しいし温かい。
基本的に生漫DAYに出るゲストはみんな好きになってしまうので、例外なくきつね日和のことも好きになった。
(8/18追記)
きつね日和初登場回生漫DAYのサブタイトルが「ブレイク寸前!?キラーフレーズを持った若手コンビ登場!」なのだが本当に今一部界隈でプチブレイクが起きている。
おいなりさんが日テレの「ウチのガヤがすみません」に出演し、トマト嫌いの細田佳央太さんにトマトいなりを振る舞ったところスタジオで大絶賛。ネットでも評判となった。
これはおいなりさんがブレイクするのかトマトいなりがブレイクするのか…。
セブンイレブンさん、是非トマトいなりの商品化をお願いします。
なおレシピはおいなりさんのクックパッドでも公開中。私も何度か作ったけど簡単でおいしかったです。
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それからRadiotalkで2人の生配信を聴くようになり、思った以上に変な人達だと言うことを知る。
ボケの松本さんは8匹の幽霊がいるアパートに住み(現在は普通のティッシュが鼻セレブになるほど湿度の高いアパートに引っ越している)、
ツッコミのおいなりさんは水ポケモンが攻撃した水量分の水を飲むYouTube生配信をしていた。トイレに行くか漏らすかしたら配信が終わるシステム。なんだそれは。(最近はしていない)
松本さんは元高級スーパーの社員で、それを辞めて芸人になった。その経験からか処世術に長けている。見習いたい。
おいなりさんはピン芸人を長い間やっていて、かなり苦い経験をしてきたらしい。ライブ終わりにファンに声をかけられるのが嬉しくてチョコレートやオリジナルステッカーを配り始めたそうな。泣ける。
漫才では松本さんがボケ、おいなりさんがツッコミだが、生配信を聞いていると上手く突っ込めないおいなりさんに松本さんが突っ込んだりもしている。Radiotalkのイベントに参加した時は、松本さんがおいなりさんの太ももを叩いて「ダメだろー」のタイミングを指示していたらしい。なんだそれは。
松本さんはおいなりさんに対して臭いだの何だの言ったり時には手や足が出ることもあるが、なんだかんだで相方のことが好きで仕方ないし、おもしろさを認めているし、そのおもしろさを引き出そうと常に考えている。
おいなりさんは松本さんをどう思っているかあまり口には出さないが、松本さんが凹んでいる時には自分なりの言葉で励まそうとしている。
松本さんは社会人としての経験を、おいなりさんは芸人としての経験を持っているのでお互いに足りない部分を補い合っているように見える。
2人とも対照的なようで良く似ている。
特に、お笑いに関しては2人ともすごく純粋で熱い気持ちを持っている。
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6月の終わりに生漫DAY特別版で「リモー虎笑門」と言うお笑いバトルイベントを行った。3組のお笑いコンビがネタを行う間、ZOOMで見ている観客の笑顔をAIが測定して点数をつけるシステム。
そこにデパルマ、ポピュララティ、きつね日和の3組の若手芸人が参加して戦った。戦ったと言っても生漫DAY自体が和やかな番組なので3組とも仲良しなのだが。
そして私は笑顔を測定される観客として参加した。参加特典として、配信には映らない裏側を見ることが出来た。出番前の芸人さん達の姿だ。
3組とも三者三様に緊張していた。
その中で、きつね日和だけ他とは一線を画していた。準備運動をし始めたのである。
漫才の準備運動って何?と思われるかもしれないが、肩を大きく振り回して「ダメだろーー!!🦊👉💥」の動きを何度もしていた。
おいなりさんがダメだろーの動きを何度もして、松本さんはそれを見て、後ろの台の上にある物がぶつかって落ちないように動かしていた。まるでスポーツ選手とコーチのようにも見えた。漫才コンビなのに。
一通りの準備運動が終わると、松本さんはマイクの前に置いてあるZOOM観客用のパソコンのカメラに向かって手を振ったり会釈をしたりしてくれた。良い人だ。おいなりさんは「ふぅーん」って顔で見てた。ふぅーん。
いざネタが始まるとすごくおもしろくて、お腹を抱えて笑った。3組全員ともおもしろかったのだが、この時に優勝したのはきつね日和だった。
本番前の2人はとてもかっこよかったと思う。
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この1週間後くらいに、きつね日和の漫才を生のライブで見た。水曜日に三拍子のライブ2本を見に行く予定があって、きつね日和のライブが火曜日にあったのでちょうど良いなって思って。
生のきつね日和は声が良く響いていて、配信以上におもしろかった。これもバトル式のライブで、観客が20〜30組の中からおもしろかった5組を選ぶシステムなのだが、余裕で5組の中に入るおもしろさだった。
…と言うようなことをその夜のRadiotalk生配信で伝えたら「今日のはちょっとイマイチだった。」みたいなことを言われて少しムカついた。私はおもしろいと思ったのに。
でも、その「自分たちは本当はもっと面白いんだ。面白くなれるんだ。」と言う意気込みに応援したくなるし期待したくなる。
変な謙遜や自虐ではないところが良い。
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2人は少し前から「ナルゲキの舞台に立ちたい。」と言っていた。お笑いライブやイベント製作会社のケープロが持つ劇場だ。そこで三拍子と共演したいとも。
100組の芸人さんがネタを披露し、来場者/視聴者投票によって選ばれた各1組だけがナルゲキのライブに出られるゲレロンステージと言うライブがある。そこで見事に視聴者投票を獲得し、つい昨日(8/14)ナルゲキのライブに出演した。
これも投票制のバトルライブで、全15組中上位8組が次回もこのライブに出ることができる。また、上位3組にはポイントが付与され、ポイントを溜めるともっと大きくて豪華なライブに出演できると言うシステム。
きつね日和の出番は5番目。平日の昼間ということもありお客さんは少ない様子だった。
それでもあの全力の「ダメだろーー!!🦊👉💥」と松本さんのボケで私は家の中で爆笑。めちゃくちゃおもしろかった。
他にもおもしろい出演者はたくさんいたのだが、上位に入るのは間違いないと思った。
全組のネタが終わり画面に表示されたQRコードをスマホで読み込み投票用のページへ。すぐにきつね日和にチェックを入れ、ノートのメモを見て他の出演者にもチェックを入れて送信。(おもしろいと思ったコンビを何組でも選んで投票するシステム)
来場者と配信視聴者の票が集計され、しばらく待たされた後に8位から結果発表。司会者に呼ばれた組がステージに出て来る。
これがもう…
本当にドキドキして気が気でなかった。
上位は確実と思いつつ、5位を過ぎたあたりから
(あれ…もしかして呼ばれない…?いやきっと3位以上に入ってるからまだ呼ばれないだけ…)
と不安と期待が拮抗。
だから3位できつね日和の名前が呼ばれた時、嬉しさと共に安堵感もあった。本当に良かった。
舞台の上で嬉しそうにしている2人を見て更に嬉しくなった。
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その日の夜、寝る前にふと思った。
好きなサッカーチームを応援するファンの気持ちこれじゃん…?
サッカーでも野球でもバスケでもなんでも良いんだけど、誰かの勝利を願って応援する気持ちこれじゃん…?今回は3位に入れたから他のファンの人と一緒に喜んだけど、おそらく上手くいかなかったら悔しくて仕方なかったと思うし、落ち込んだと思う。
あとサッカーのサポーターがユニフォームを着て応援するように、私もきつね日和のTシャツを着て配信を見てた。セブンのいなり寿司を食べながら。…この辺は単なるオタクか。
とにかく、子供の頃にリビングでサッカーを見ていた叔母はこう言う気持ちだったのかなと思った。
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長文になってしまったが、初めての経験だったので一度記録しておきたくて書いてしまった。
ゴールドステージのすぐ後に同じ劇場で三拍子も出演するライブが行われた。それを後ろの方で見学していたきつね日和が、先輩たちの姿に感動して涙したり、学び取ったことを次のライブに生かした話も聞いていて胸が熱くなる。
これからますます面白くなっていくきつね日和から目が離せない。