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(Now, please begin to introduce yourself.)
卯年乙女座理系学問に恵まれまして、空っぽの女体と申します。魔法使いの母がわたしを孕んだ際にいくつかの呪いをかけ、心臓を持たない優秀な個体として生まれてきました。わたしは涙を流さず、笑うこともせず、怒ったこともございません。わたしはσ結合であって、そのほかの何者でもございません。わたしは……わたしは空っぽの女体。
わたしの強みは知能が高い点です。わたしはよく頭が回る……。
わたしの弱みは不安定な存在であることです。わたしは時折酷く存在が不明瞭になる……。
座標は確かにわたしという存在を指していて、それはわたしという人間の(001)面であり(111)面である。満月の夜、わたしは確かに光に包まれて誕生し母はわたしを守り絶命した。わたしは父が母を殺した瞬間を確かに見た。父は母を蔑み、(抽象的、あるいは)母は……。
わたしは成長する。母と同じ格子定数を持って、健やかに向きを揃えて成長する。
(Thank you very much. That's enough.)
はあ……。
(Finally, any questions?)
差し支えなければ……わたしは何者に見えますか。
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