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ビール作りに取り組む北大大学院生 「定番クラフトビール」を通年販売し、売れ行き好調

 北大大学院農学院修士1年の宮地帝輔さんは7月31日、北大未来開拓倶楽部ビール(税込み980円)を一般発売しました。宮地さんが販売したビールの中で初めて通年販売される同ビール。北大内外の店舗のほかにオンラインでも購入でき、売れ行きは好調です。

宮地さん(2024年8月17日 撮影:野中直樹)

定番クラフトビールを作ったきっかけは?

 今回、なぜ定番クラフトビールを作ったのでしょうか。今までに赤ビールや黒ビールなどを数量限定で販売してきた宮地さん。いずれも売り切れてしまい、「宮地さんのビールが欲しい」という声に応えられないこともありました。「自分のビールを飲みたいという声にこたえられないのは残念」。多くの期待に後押しされ、腹をくくり通年販売に乗り出したと言います。

 とはいえ定番ビールを通年販売するには生産規模を大きくすることが必要。そのためにはそれなりの資金も必要になります。また、「自身が始めたビールブランド『パイオビア』をみんなの手で大きくしたい」と話す宮地さん。多くの支援者を募ることができるクラウドファンディング(CF)で資金を集めるのが最適だと考えました。

 「今までいくつかビールを作って来たこともあり、タイミング的に『定番クラフトビール』だった。一緒になって応援してくれるファンを作るきっかけになったらいいな」

 そんな思いを胸にCFに挑戦しました。成功しているCFサイトの調査やSNSでの告知など、周到な準備が奏功。開始4日目で目標金額の100万円をなんなく達成する大快挙でした。

気になるビールの味は?


北大未来開拓倶楽部ビール(税込み980円)(2024年8月17日 撮影:野中直樹)

 宮地さんはビール作りにおいて飲むシーンを大事にしていると言います。今回作った定番クラフトビールは「ファームハウスエール」という種類のビールで、ベルギー発祥。農家が夏の農作業の合間に飲んでいたと言われる伝統的なビールです。自身のビールについて「自然の中や空の下で飲むのがおすすめだ」と話します。

 そんな夏にぴったりなビールの味とは。宮地さんは「花や柑橘系のフルーティな香りとすっきりとした軽い苦みがある」と評します。

 ビールなのに花や柑橘の香り――この香りはどのようにして生まれたのでしょうか。ホップや酵母によって付いた香りだと宮地さんは言います。ホップは柑橘の香りがするアメリカ産のカスケード、酵母は花や柑橘のような香りが出るファームハウスを使用しました。


ビール作りの様子

 またアルコール度数は4.5度と高くなく、飲みやすいのも特徴です。「柑橘系の香りがあるのでビール初心者でも飲みやすく、すっきりした苦みもあるのでビール好きでも楽しめる。色々な人に飲んでほしい」。

 さらに新作ビールはチキンやムニエルなど、味の濃くない料理が特に合うことを教えてくれました。

 そしてラベルにもこだわりを込めたと宮地さんは言います。テーマは北大の歴史の重みや格式高さ。「若い人が作ったポップさも残しながら、自分が学んでいる農学部の建物、北大の中央ローンの木陰に座っている学生が描かれている」。デザイナーを目指す学生が作ったもので、宮地さんも大変気に入っていると言います。

気になる次回作「朝ビールを作りたい」「限定販売したビールを復活させたい」


宮地さん(2024年8月17日 撮影:野中直樹)

 定期的に新作ビールを発表している宮地さん。次に作りたいビールはあるのでしょうか。「赤ビールや黒ビールなど前に限定販売したものを復活させたい」。

 また新作の構想も教えてもらえました。「北海道の朝をイメージした『朝ビール』を作りたい」。使う材料は牛乳の生産過剰で在庫過多となっている脱脂粉乳。朝でもすっきり飲みやすい白ビールを作りたいと意気込みます。

北大未来開拓倶楽部ビール
北大の大学院生・宮地さんが作った定番クラフトビール。価格は1缶980円(税込み)。以下の店舗に加え、パイオビアのウェブサイト(https://piobeer.stores.jp/items/66aadbb38fb59e0446780394)でも購入可能。

缶ビールを買える店 
カフェdeごはん(北大)・​​北大マルシェCafé&Labo(北大)・MANOMEWO(マノメオ)

缶ビールを飲める店
ミュージアムカフェぽらす(北大)・​​カレー食堂 心 札幌本店

樽生ビールを飲める店(在庫状況は事前に店舗にお問い合わせください)
ヒニニツカ・CRAFT PUB BRIAN BREW 狸COMICHI店
・IRISH PUB BRIAN BREW 本店・​焼肉と料理 シルクロード

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