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最後の頁

本を読み終わる時、寂しくて泣いてしまいそうになる。

手の中に、大好きな世界があって。
私はその物語を追いかけて駆け回り、思い切り息を吸い込んで、そこに居るから。
それが、終わってしまう。
ずっとこのままでいたい。

そんな風に思う事が、何度もある。

恋人との、別れ際のような。
テーマパークから、帰る時のような。
素晴らしい夢から、醒めてしまうような。

その寂しさが、たまらなく嫌いで。
その寂しさが、たまらなく好きで。

たぶん、本の中で最後の頁が一番好き。

本当はそれを、永遠に読みたくないとも思っている。
同時にそれが、醍醐味であるように。
最後の頁は、何かがちょっとだけ特別だ。

そして寂しさを越え、また新しい1冊を手にする。

Photo by ミシェルさん

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Pino
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