この旅1番の心に残る場所
リトアニアのシャウレイ。十字架の丘。
占いが趣味なので、1日1枚タロットカードをひいている。今日のカードは“狭さ”。このカードが出たときは、「自分の集中力を取り戻すために何かをしよう」というメッセージを読み取ることができる。削ぎ落として研ぎ澄ます感覚。
十字架の丘へ進む道のり一歩一歩で、考える。本当に大切なものは何なのか?手放せていないものはここに置いていこう。そんな削ぎ落としをしながら、歩いた。
自然と体が軽くなり、涙がこぼれてくる。
人生に必要なものなんて、大してないんだな。
虚勢を張らなくても幸せは自分の物差しで決めればいい。
十字架の丘では、みんな自分の十字架を置いて行く。私もタリンの教会で1ユーロで購入した十字架を置いて行くつもりだったけれど、ここに私の想いなんて詰まってないなぁと思ったのと、可愛すぎて置いて帰りたくない問題が発生したのとで、置いてくるのをやめた。
そのかわりに削ぎ落とした結果、私に残った大切なものとの時間を紡ぐために1つ十字架を買って帰ったよ。
この十字架と時間を重ねて、大切なものがなくなって、私が空っぽになった時にまたこの十字架の丘に戻ってくることを決めたんだ。
あまりにも不便で今度行くときは、ツアーで来ようと心に決める。でも、また来ようと思えた場所。
バスでリガから4時間ほどの旅。LUXというバス会社がお気に入りになったこの旅で、シャウレイ行きのバスがなかったためエコツアーというバス会社を使った。こちらもいいバスだった。綺麗なトイレがあれば全部いいバスに感じる。
バス停は小さく、街自体も小さい。シャウレイに向かう道中は何もないひらけた場所。遠目でもあそこだ!とわかる十字架の丘は、シャウレイからリガ方面に車で30分程度。
十字架の丘自体は7時までなのだが、最終バスは早く、取り残されたらヒッチハイクか歩くか。夏ならなんとかなりそうだけど、冬は危ない。レンタサイクルとかもありそうだから、アグレッシブな人はシャウレイのインフォメーションセンターで情報をもらうのもいい。
そんな不便な場所なので、行くのを断念しようと思ったけれど、1泊1500円ほどのAirbnb を発見。お父さんが十字架の丘まで連れて行ってくれて20ユーロだったので、ここを予約するとともに行くことに決めた。もしかしたら12ユーロだったのかなとか思う支払い時の間があったけど。ちなみにお父さんは英語も喋れません。
部屋自体は、おばあちゃんの家に来たようなアットホーム感。清潔でもなければ、寝にくいソファベットだし、星4つにしそうなクオリティだった。
ただ、どこよりも現地の生活感は感じられ、ケアをしてもらい、朝ごはんも作ってくれた。英語は少し聞き取りずらくて、私のつたない英語だとなかなかコミュニケーションがとりずらかったけれど、諦めずに色々話をしてくれたのはいい思い出になった。人の家の冷蔵庫を見るのも楽しい。
自家製のチェリージャムとチーズをクラッカーにのせたおやつに、コーヒー。コーヒーには自家製はちみつを入れてくれて、疲れた体にしみた。見どころが十字架の丘くらいの街だけれど、いいホームステイ体験になった。
こういう小さな街に限って、街を歩いてみるといい思い出になったりするんだけど。湖まで歩いて、その辺りは綺麗に整備されている。まだ工事中が大半なので、いつかまたこの街を訪れたら、完成していて感動するかもしれない。アナザースカイみたいに。
湖沿いの貸別荘なんかに泊まってゆっくりするのも良さそうだ。夜の6時でもみんな車で子供を遊びにこさせてて、いい感じにバーが何軒かあって、バーなのにフードメニューがいっぱいあって、実は試してみたかったレストランはもう一軒あって、平和の極みを感じられた。
しかし困ったのは、シャウレイからビリニュスのバスどこの乗れば正しかったのかな問題。乗ったバスはトイレなくて長距離っていうよりは結構な各駅感。時間的には合っていそうなんだけど。
地球の歩き方で調べたバス会社で、時間にバス停に行って待つことに。地球の歩き方を友人にあげてしまったので、今となってはどのバス会社だかはわからず。10時の便で、大体4時間。まさかのトイレがなくて、途中の停車場が2つだったので、わけもわからずダッシュで、バス停のトイレへ向かった。言葉も通じないし、すごくドキドキするよね。
他のバス会社とは違ってものすごくローカルなので、預け荷物も自分で中に入れるスタイル。誰かに取られないか心配だったし、眠れない4時間だった。その分、道中は景色を楽しんだけど。
明るいうちにヴェリニュスについて、一安心でした。この後、夜にワルシャワに向かうという、ものすごくハードな1日なんだ。
シャウレイのフォトアルバムはこちら。
この記事が参加している募集
旅のこと文章のこと写真のことを主に載せています。フォトアルバムと同じタイトルの文章があるので、そちらを読んでいただくと、より旅の面白さが伝わります。#旅と写真と文章と