思い出のサンドイッチ:バゲットサンドとクロワッサンサンドとバインミー

フランスを訪れた際、私は一つの出会いに驚かされました。それは、外はカリカリ、中はふわふわのバゲットサンドでした。露天の一角で販売されていた記憶がありますが、その光景は鮮明に残っています。日本で慣れ親しんでいたフランスパンとは一線を画す食感と味わい。まるでフランスの空気そのものがパンに閉じ込められたかのような感覚でした。そんなバゲットサンドに出会った私は、驚くほど軽やかに一人で一本をぺろりと平らげてしまったのです。この経験を通じて、フランスパンへのイメージが一変し、パンへの情熱が新たに芽生えた瞬間でもありました。

次に思い出されるのは、クロワッサンサンドです。振り返れば、私が人生で初めて口にしたクロワッサンは、このサンドイッチだったかもしれません。それは、姉の高校の文化祭でのこと。姉のクラスが出し物として開いたクロワッサンサンドのお店が、当時の私にとっての一大イベントでした。特別な素材を使っていたわけではありませんが、サクサクとしたクロワッサンに挟まれたジューシーな具材。その組み合わせは驚くほどの感動を与え、私にとってクロワッサンがただのパン以上のものとなった瞬間でした。これまでのパンに対する認識が一新されると同時に、食の楽しみが広がった思い出です。

そして、世界三大サンドイッチの一つとして知られるバインミー。ベトナム旅行がなかなか叶わず、美味しいと評判のこのサンドイッチを一度も味わったことがなかった私は、ただその噂を聞くだけで満足していました。しかし、思いがけずコロナ禍でその願いが叶うことになります。海外に行けなくても、地元の駅の高架下にあるバインミー専門店で、ついに念願の一口を味わうことができました。サクサクとした軽やかなパンに、しっかりと味付けされたお肉や大根の酢漬けが挟まれ、初めての味わいに感動したのを覚えています。これならいくつでも食べられる、そう感じた瞬間でした。

このように、それぞれのサンドイッチには特別な思い出が詰まっています。フランスの露天で食べたバゲットサンド、文化祭で初めてのクロワッサンサンドに感動し、元町で念願のバインミーを味わった瞬間。それぞれが私にとっての「思い出の味」となり、今でもその味わいが蘇るのです。

あなたには、そんな思い出のサンドイッチがありますか？食べ物がもたらす記憶は、私たちの心に深く刻まれ、その時の風景や感情を今も鮮やかに呼び起こしてくれます。ぜひ、あなたの思い出のサンドイッチについて教えてください。