至哉坤元 万物資生
久々にお台場へと足を運ぶ。
東京ビックサイトといえば、
展示会、見本市のメッカ。
そのビックサイトで、今日から
3日間ほど、化粧品関係の大型
展示会が開催されている。
ここ2年ほどは、このような
展示会の類は自粛自粛の嵐で
あったが、ようやく復活しつつ
あるようだ。
今日は初日だったので、
基調講演として、資生堂ジャパンの
代表取締役社長である直川紀夫さん
がお話しされることになっており、
それを拝聴すべく、朝から直行で
会場に向かった。
日本の化粧品業界における圧倒的な
リーダーとして君臨する資生堂。
元々の出自が薬局だったというのは
意外と知られていないかもしれない。
創業の地・銀座で、最初は地味な
薬局から始まったのである。
それは存じ上げていたのだが、
「資生堂」の社名の由来までは
知らなかった。
何と、中国の四書五経の中の
『易経』から来ているのだという。
その『易経』の中に書かれていて、
タイトルにも掲げさせていただいた
言葉こそが、「資生堂」の由来だ
とのこと。
こちらのページに、読み方並びに
意味が解説されている通りであるが、
引用しよう。
至哉坤元(いたれるかなこんげん)
大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。
万物資生(ばんぶつとりてしょうず)
すべてのものは、ここから生まれる。
我々が生きている大地、
つまりは自然環境が、あらゆる
恵みを人に与えてくれることに対し、
深く感嘆・感謝をし、讃えている
言葉と言えよう。
現代的に解釈すると、そのまま
SDG'sに使えそうな言葉たちである。
資生堂自身もそれを理解して、
様々な具体的活動に落とし込む
ことに余念がない。
資生堂ほど大きな会社になると、
トップから末端まで、
かなりの数の階層になるだろう。
また、関連会社や取引先、
いわゆるステークホルダーの数も
これまたとてつもない数のはずだ。
それら多数のステークホルダーを
まとめ上げるためには、
強力なリーダーシップは勿論、
言葉で意志の統一を図ることが
殊のほか大切なのだろう。
直川社長のプレゼンを伺い、
今の時代のエッセンスを
できる限り平易に表現しながらも、
説得力ある力強い言葉でまとめ
あげていて、非常に価値ある講演
だったと感じ入った。
身近な人とばかり話していると、
普段自分が使っている言葉たち、
即ちボキャブラリーが、どの程度
偏っているのか、把握しにくい。
より多くのステークホルダーと、
日常的に触れ合い、言葉を交わす
ことによって、誰にでも分かって
もらえる言葉の使い手への道が
開かれる。
極めて単純な結論ではあるが、
意識しないとすぐにボキャブラリーが
貧相になりかねないゆえ、
ここに書き留めておくこととしたい。
結論が、タイトルからは少々離れて
しまったが、そこはご愛敬で。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。