相模屋の商品開発力
「ザクとうふ」が世に出て、
早くも10年が経っている。
今や、豆腐業界において比類なき
リーディングカンパニーとなった
相模屋による前代未聞の商品。
かなり話題になったので、
たとえ食べたことはなかったとしても、
知らないという人は少ないのではないか。
2年以上前になるが、「ザクとうふ改」を
購入した折に、このnoteでネタにした
こともある。
相模屋は、この「ザクとうふ」の成功も
含め、ものすごい勢いでビジネスを成長
させてきた。
2014年時点で、「6年間で売上4倍!」
との文字が、鳥越社長の著書の帯に
踊っている。
直近では、同業他社の買収も積極的に
行っている様子がうかがえる。
サイトでは、「10年間で売上高5倍」と
紹介されていた。
相模屋のヒット商品は、もちろん
「ザクとうふ」にとどまらない。
とにかく次から次へと、「とうふ」と
いう軸は崩さずに、ユニークな商品を
積極果敢に投入してきた。
個人的には、「ひとり鍋」シリーズに
かなりお世話になっている。
トレイにとうふを移し、別添のたれを
入れて、レンジで3分。
タンパク質も豊富に取れるし、
何か一品追加したいときにとても
重宝する。
この「ひとり鍋」シリーズの延長線上に
あるのが、「とうふにゅうめん」や、
「おだしやっこ」、「とうふグラタン」
といったシリーズだ。
「ひとり鍋」のフォーマットをベースに、
様々なアイデアを掛け合わせて新商品を
試しまくっている印象である。
「BEYOND TOFU」も面白い。
「とうふを超える」という名前の通り、
野心的なラインナップ。
「TOFU BAR」や「肉肉しいがんも」、
うにやマスカルポーネの味わいを模した
商品もある。
時折マスカルポーネのとうふに蜂蜜を
かけて食すのだが、これがまた美味い。
全ての商品が残らなくてもいいという
割り切りがあるのだろう。
結構攻めている感のある商品でも、
あえて投入して市場の感触を見て、
それをその後の開発に更に活かして
いるように見受けられるのだ。
そんな商品開発力の根っこにあるのは、
相模屋の「思い」にある。
「ザクとうふ」開発よりもずっと前から、
彼らが取り組んできたことは、
ひとことで言うと
「おとうふの世界を広げる」こと。
これまでにない、新しい価値を持った
とうふを創造することで、より幅広い
年代の消費者に、おとうふをアピール
してきた。
この10年以上、豆腐売場をずっと見て
来たが、とにかく相模屋の怒涛の
快進撃が止まらない。
それも当然、これだけ豊富なアイデアを
矢継ぎ早に提案されたら、つい買って
みたくなるもの。
そして、実際買って食べてみたら、
美味しさという基本的な価値を高い
レベルで保ちつつ、そこに新しい、
ユニークな価値を加えている。
相模屋がどこまで進化を遂げるか、
今後も目が離せない。