相手が求める情報を伝えるから価値になる
11月1日付け日経MJの1面で、
資生堂の魚谷雅彦・会長最高責任者の
記事がドーンと出ていました。
魚谷さんが2024年末で退任されるとの
ことで、氏の華々しいキャリアを
振り返る特集記事のような形です。
ライオンに入社された後に、
コロンビア大学でMBAを取得、
クラフト・ジャパンを経て移った
日本コカ・コーラでマーケティング
本部長、そして社長へと登り詰め、
華々しい実績を出されました。
その後、資生堂へと迎えられ、
2013年からマーケティングに携わった後
2014年に社長、2023年に現ポジションに
ご就任というご経歴です。
魚谷さんと過去にお仕事をご一緒された
という方々数名から聞いた噂は、必ずしも
ポジティブなものばかりではありません
でした。
しかし、コカ・コーラでも資生堂でも
立派な業績をたたき出してきたという
意味では、やはりマーケターとして、
そして経営者として、極めて優秀な方で
あることは間違いないでしょう。
そんな魚谷さんの発言の数々に、
マーケティングのエッセンスが
散りばめられている記事だったので、
もしお読みでない方は是非とも一読を
オススメします。
今日のタイトルにある言葉も、
魚谷さんの発言を引用したものです。
前後の文脈も含めて、もう少し詳しく
説明しておきましょう。
魚谷さんが最初に入った会社である
ライオンで、歯磨き粉を売っていた
時代の話です。
この、「相手が求める情報を伝えるから
価値になる」というくだり。
マーケティングコミュニケーションの
基本的な考え方が、短い一文にギュッと
凝縮されていると言えるでしょう。
お客様が求めているのは、
自身が抱えている問題の解決や、
より快適な生活への欲求を満足させる
ことです。
この「問題解決」「欲求満足」に、
価値を感じてくれるわけですね。
自分が売りたいモノを売る。
自分が提供したいサービスを売る。
それでは、お客様の「問題解決」や
「欲求満足」には必ずしもつながり
ません。
お客様が、自分の抱える「問題解決」
「欲求満足」につながると感じて
初めて「価値」を感じることとなり、
そこからモノやサービスが売れていく
わけです。
お客様が真に求めている情報、
お客様の「価値」につながる情報を
きっちりお渡しできているのか?
常日頃から、自分自身を振り返る
クセをつけておきたいものですね。