遥かなるドラッカー
最近こちらにドラッカーのことを
書いたり、引用したり、紹介したり
といったことが増えていた。
実はそれには理由がある。
日本におけるドラッカーの分身と
言われたあの上田惇生先生と
『ドラッカー入門新版』
を共著者として上梓した
井坂康志先生の勉強会にて、
ドラッカーを学び直していた
のだ。
タイトルは、
『生き延びるためのドラッカー入門』
という。
このコロナ危機の時代にあって、
改めてドラッカーを学ぶことが
世のビジネスパーソンにとって
極めて有意義であるとの確信と、
それを伝えなければならないという
使命感に突き動かされるかの
ような熱情とが感じられた、
10回にわたるzoomの講義を拝聴する
僥倖に恵まれたのである。
これもまた、ご縁が紡いでくれた
出会いであり、このご縁を下さった
方々には深い感謝しかない。
全10回を通して、非常に多くの知識や
知恵に触れ、認識を揺さぶられ、
反省を強いられ、高揚感を覚えた。
まだまだ学びたいこと、学ぶべきことが
あることを知った。
そして、沢山の「積読」が積み上がった。
(苦笑)
とりわけ、印象深かったのは、
「正統保守主義」
という言葉の意味するところ。
そしてドラッカーが言うところの
「ポストモダン」
つまり近代合理主義の後に来る
世界についての含蓄ある言葉で
あった。
その時のnoteがこれだ。
このエントリーで、保守主義という
言葉を誤解していたことを知った旨を
書いた。
自分の仕事周りについては、言葉の
定義を厳密に考えるのが当たり前に
なっているものの、それ以外のことは
いかにいい加減だったかが分かったの
だった。
言葉は、世の中を生きていく上で
欠かせないツールであり武器である
以上、仕事周りの言葉に限らず、
より幅広く自分が生活周りで使う
全ての言葉に対して感覚を鋭敏に
保ちたい、そう思わされたのである。
井坂さんは、1972年生まれ。
私と同い年と聞いて、正直なところ
「参った!」
という思いであった。
哲学的な思索を重ねてきたことが
にじみ出るような言葉の選び方。
そして朗読者としても名を成せるの
ではないかと思えるような、
耳に心地よく響く声。
また一人、ベンチマーク対象が増えて
しまったが、それもまた嬉しいことだ。
10回シリーズの全てをコンプリート
したところ、こんな素敵な
プラチナ修了証までいただいた。
毎回の講義を心待ちにして参加するうち
に10回が過ぎただけで、敬意を表したい
のはむしろこちらである。
折角いただいたので、しっかりこちらで
露出して、このような研究会があるのだ
ということをわずかでも知らしめること
に貢献したい。
ちなみに、「渋澤ドラッカー研究会」
の「渋澤」は、もちろん「渋澤栄一」
から取られている。
ドラッカーが渋澤栄一を尊敬していたと
いうのはよく知られているところ。
そして、栄一こそは20世紀における
保守主義の偉大なる実践者であった。
混迷の時代の只中にある今こそ、
渋澤栄一やドラッカーから改めて
真摯に学び、この社会を守り抜いて
いかなければならない。
私たちは、過去からバトンを渡されて
いるのであり、受け取ったバトンは、
次世代にしっかりと引き継がなければ
ならないのである。