知らずしらずのうちにかけているメガネ
今日は土曜日。
毎週、可能な限り朝一でマラソンに出る
ようにしている。
雨に降られたり、何か特別な用事がある
場合はあきらめることもあるが、極力
このペースは崩したくない。
走っている間は、ビジネスセミナーの
音源を
「聴く」=Listen ではなく、
「聞く」=Hear の感覚で、
BGMのようにかけている。
そうやって、適度な刺激を耳から
与えつつ、自分の呼吸に集中しながら
走っていると、色々とアイデアやら
妄想やらが思い浮かんでくるのだ。
それらを後でこの note に書き起こし
たり、紙のノートに書き付けたりして
いく。
今日、走りながら浮かんできたのが、
様々な「フレームワーク」のこと。
世の中には色々な「フレームワーク」
があり、便利に使わせてもらっている
ものも多いが、お互い矛盾したり、
あるいは範囲がかぶったりしている
ものも多い。
例えば、マーケティングであまりにも
有名な「4P」というフレームワークが
ある。
Product、Price、Place、Promotion
これら4つの頭文字から来ている、
マーケティング・ミックスをヌケモレ
なく考えるためのフレームだ。
コトラーさんが世の中に広めたこの
フレーム、
「4つでは足りない、5Pだ」
「いや、6Pだ」「7Pだ」
とか、
「Pは企業目線だ!
消費者目線にするべきだ!
4Cだ!」
みたいな議論がある。
どれもこれも、言っていることは
それなりに正しいと思われるので、
好きなフレームを使えばよい、
そんな風に考えている。
重要なことは、フレームワークそれ
自体は、真実や事実を掴み、行動を
起こすための道具立てだということ。
真実や事実は、ただそこにあるだけ
で、変わらない。
その真実や事実を見る方法、解釈、
アプローチが違うだけ。
でも、そのフレームが違うだけで、
事実に対する評価が変わってしまう
わけで、そこを分かっていないと
色々と揉めごとになることもある。
「群盲象をなでる」ということわざが、
正にその状況を適切に表しているなぁ、
という思いが、走りながらふつふつと
湧き上がってきた。
一頭の象がそこにいる、という事実は
変わらない。
しかし、複数の目の見えない人たちが、
たまたまそれぞれ別の部位を触ったが
ために、一頭の象を評して、それぞれ
全くバラバラの感想を述べる。
一つの事実に対して、異なるフレーム
ワークを通して評価しているがために、
みんなが全くバラバラのことを言う、
そんな場面に出くわしたことがある
人も多いだろう。
メガネの枠のことを「フレーム」と
いう。
文字通り、みんな「メガネ」をかけて
世の中のことを見ている。
仕事で議論がかみ合わないとき、
誰もがこの「メガネ」をかけている
のだということを意識して、どんな
「メガネ」をかけているのかな、と
気にしてみることで、見えて来るもの
があるかもしれない。
そして何より、自分も知らずしらずの
うちに「メガネ」をかけているものだ
ということを、常に頭に入れて行動
しなければならない。
そんな風に思うのである。