コンセプト力とパフォーマンス力、両方ともに追いかける
ここのところ、周囲でかなり話題になって
いる様子だったので、Amazonですかさず
ポチッとしたのがこちらの本。
トライバルメディアハウスの創業者で
ある池田紀行氏の著書。
ビジネスを行う以上、誰もが避けて
通れない「売上」が、一体どのように
成り立っているのかを「地図」化する
試みである。
「売上」の「因数分解」と表現することも
可能だろう。
一体何が「売上」に影響するのか。
その因子を特定し、相互にどのような
関係となっているのか、地図に表そうと
いうわけだ。
昨晩遅くに届いたので、
早速今日パラパラと読み始めた。
現時点では、まだ「はじめに」と、
最初の章「オリエンテーション」を
読んだだけであるが、
早くも期待感が高まっている。
というのも、「オリエンテーション」
を読み進めただけで、筋の良さそうな
気配を濃厚に感じたからである。
「売上の地図」が20個説明されるとの
ことなのだが、「オリエンテーション」
ではその20個の地図に共通する
「5つの分類」を説明してくれる。
「トライアル購入」と「リピート購入」
という、定番の分類が登場するのだが、
そこで梅澤伸喜氏の「C/Pバランス理論」
を紹介してくれている。
私が「筋が良さそう」と思ったのは、
正に、この梅澤さんの理論を取り上げて
いたのが理由である。
梅澤さんは、知る人ぞ知る
伝説的なマーケターである。
メーカーに所属していた頃に、
サンスターの「トニックシャンプー」、
ジョンソンの「カビキラー」や「ジャバ」
などを手掛け、これらはいまだに
カテゴリーNo.1ブランドとして君臨
し続けている。
マーケティングコンセプトハウス社を
立ち上げて独立してからも、
「禁煙パイポ」や「写ルンです」、
「塗るつけまつげ」や「ウコンの力」など、
数十年単位でのヒット商品を生み出し続ける
ロングセラー商品づくりの名人なのだ。
「C/Pバランス理論」とは、
「買う前に買いたいと思わせる力」を
コンセプト(C)と定義し、
「買った後買って良かったと思わせる力」を
パフォーマンス(P)と定義した上で、
それぞれの強弱の組み合わせで新商品の
売上パターンは決まるとする理論。
リンク先にある図(田んぼ)を見れば、
スッと理解できるだろう。
コンセプトとパフォーマンス、
両方とも強くしない限り、
ロングセラーにはなりえない。
言われれば、非常に単純な話だが、
理解しても実現できるとは限らない。
どうやったら、「コンセプト」や
「パフォーマンス」を共に強める
ことができるのか。
より具体的な話が、この後出て来ると
思われる。
従来のマーケティングで語られてきた
理論、考え方、常識を、どのような形で
再構築されているのか、
自分自身の考え方と照らし合わせながら、
批判的に読み込んでみたいと思う。