『ちよにやちよに』出版記念セミナーを受講して
去る3月10日、長野県伊那市にある
伊那食品工業において、
『ちよにやちよに』の出版を記念する
ビジネスセミナーが行われた。
平日でもあり、また伊那市で行なわれる
とのことで、横浜に住む私にとっては
直接参加するハードルが高かったのだが、
数週間後にリリースされたオンラインの
動画で視聴させていただいた。
生でお話を伺うことに比べたら、
もちろん抜け落ちる情報はあるものの、
便利な時代になったことに感謝の気持ちが
湧いてくる。
『ちよにやちよに』というのは、
日本の国歌である「君が代」が、
一般的に考えられているのとは異なり、
実は「愛する人の長寿と幸せを願う歌」
であることを、人々に広く知らせる
絵本であり、プロジェクトである。
このnoteにおいても、何度かにわたって
ご紹介してきた。
それはひとえに、このプロジェクトが
日本人にとって非常に有益で、
我々の心に大切なものを取り戻してくれる
一端となる、そう信じているからである。
著者の白駒妃登美さんは、「博多の歴女」として
つとに有名な、素敵な女性である。
その白駒さんの講演が第一部。
第二部はパネルディスカッション形式。
著者の白駒さんに加え、伊那食品工業の顧問
である塚越寛さん、社長の塚越英弘さん、
ファシリテーターとして元リッツ・カールトン
日本代表の高野登さんが登場する豪華布陣。
有料セミナーゆえ、ネタバレになることは
控えさせてもらうが、皆さんの言葉の
一つひとつが非常にキラキラしていると
いうか、聞いていて何とも清々しい気分に
させてくれる、そんな感慨を抱くものだった。
白駒さんが、このセミナーを伊那の地で行う
意義について最初に語ってくださったのだが、
もうその話を聞いただけで鳥肌が立つ思い。
伊那の地は、江戸時代に名君の誉れ高かった
保科正之が治めた高遠藩の所領。
その仁政は、転封された最上藩、会津藩でも
いかんなく発揮され、また幕政に関わるように
なった後の「文治政治」改革を通して、
江戸幕府の長期存続の礎を築いたことが
高く評価されている。
また、初代会津藩主として、幕末に至るまで
藩政の拠り所となった「会津家訓15か条」を
定めたのも正之であった。
その内容は極めて本質的で、長期的な藩の
経営を支える言わば「経営理念」として、
非常に有効に機能したと評される。
保科正之の偉業の話は別途学んでいたが、
高遠藩が伊那の地を治めていたことは、
今回の白駒さんのお話しを伺うまで、
頭の中で全く結びついていなかった。
この、正之のDNAが、伊那の地に脈々と
受け継がれているのではないか。
だからこそ、「年輪経営」を標榜する
伊那食品工業のような素晴らしい会社が
伊那の地で花開いているのではないか。
そのような視点を聞き、思わず
心動かされたのである。
白駒さんのお話、塚越さんのお話、
どれもこれも、背筋が伸びるような
話でありながら、皆さんのあたたかく
素敵なお人柄がにじみ出る語り口で
スッと心に入ってくる。
是非多くの人に聞いて欲しいお話で
あった。
そして何より、『ちよにやちよに』が
引き続き多くの人の手に届いて欲しい。
これまでの誤解、無理解が少しでも減り、
より多くの人に正しく理解をして欲しい。
そう強く願い、これからも文屋さんを
応援したいと思っている。
※文屋さんのウェブサイトに掲載されている
吉澤みかさんの描かれた素敵な絵を、
冒頭にて拝借させていただいた。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。