たかが看板広告というなかれ
「インプラント」といえば?
自分の名前がパッと思い浮かぶよう、
徹底的に消費者の頭に刷り込むべく
屋外広告を様々なところで
目立つように展開しているのが、
かの有名な「きぬた歯科」です。
「元祖」は中央線の西八王子駅が
最寄りですが、お兄さんは横浜線の
鴨居駅近くで開業されているのですね。
冒頭の写真は、東急田園都市線内の
青葉台駅で撮ったもの。
同じ横浜市内、JR横浜線の鴨居駅とは
直線距離ではかなり近いエリアで、
なおかつ富裕層が多く住んでいる
ことでも知られています。
顔がソックリのお兄さんが、
やっぱり大きく顔出しをしており、
「勝利の方程式」は依然として健在
であることは疑いないでしょう。
弟さんであるきぬた泰和さんの著書
『異端であれ!』を、こちらでも
紹介しました。
きぬたさんは、何も好き好んで
看板広告に自分の顔出しをしたわけ
ではないのです。
自院に集客するにあたり、
ネット広告を含めた様々な集客手段の
中から、圧倒的に今の看板広告を
メインに据えるやり方が功を奏した
ということなのですね。
お兄さんの医院は、
西八王子の本院と区別するために
「横浜」と冒頭に入ります。
そして、「JR鴨居駅徒歩3分」という
アクセスもきっちり顔のそばに
記してあります。
この広告は駅のホームに掲出されて
いたのですが、その掲出場所が、
一番人の来ない1両目でした。
青葉台駅は、10両編成が停車する
上りプラットフォームの6両目から
8両目あたりに改札へとつながる
階段などがあるため、1両目が最も
不便な場所なのです。
ひょっとしたら、その不便さゆえに
掲出にかかる金額が最も安いのでは、
費用対効果に厳しいきぬたさんだけに
そういった点にもこだわっている
可能性がありますが、実際のところは
分かりません。
または、道路脇に掲出する屋外広告と
同じ発想で、できるだけ多くの通り
過ぎる人の目に飛び込むようにする
意図で、プラットフォーム上に人が
溜まりにくい1両目をあえて選択した、
そんな可能性もあり得るでしょう。
きぬたさんの著書を読み、
彼の思考回路に触れたことで、
たった一つの駅の看板広告にも
きっと色々な意図が込められているに
違いない、そんなことをつい考えた
次第です。