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売上高を目的にしてはならない

「目指せxx億円」
というような、売上高を目標に掲げる
企業、組織は多い。
というか、ほとんどの企業は、目標として
売上高を掲げているのではなかろうか。

これが、いくつもある目標のうちの一つに
過ぎない、という場合もあれば、
最も重要な「必達」目標として掲げられ、
とにかくその目標目指して死に物狂いで
頑張るように仕向けられている場合も
あるだろう。

売上高を目標に掲げることが、
絶対的に悪いことだとは思わないが、
数字が独り歩きして、会社に、組織に、
悪影響を与えることが多い
のもまた
確かであるように思う。

ちなみに、売上高を目的に掲げることは、
目標に比べてより一層、悪影響が大きく
なる
のは間違いない。

目的というのは、最終到達地点
目標というのは、そこに至るまでの道標
であると考えればよい。
「とにかく売上xx億円に達することが、
我が社の目的である!」
そんなことを言う社長に、誰が付いていく
だろうか?

売上高そのものには、大義がない
あるいは、大義を見出しにくい

昔はよく「ビジョン」「ミッション」という
言葉が引き合いに出された。
最近では「パーパス」という言葉に
取って代わられつつある感が強い。
これは、天から与えられるもの、という
意味合いの強い「ミッション」よりも、
自ら見い出していくもの、という意味合いの
強い「パーパス」の方が、企業経営の現場に
概念として馴染みやすいからだ、
そう聞いたことがある。

いずれにせよ、売上高を「ミッション」
あるいは「パーパス」に設定するというのは、
通常はありえないことだろう。
どんな世界を目指すのか、
どのような状態にこの世の中を変えたいのか、
そのような「世界観」こそが設定されて
然るべき。

「売上高xx億円」が仮に達成できたとして、
それがこの世界とどう関わり合うのか、
説明することは難しいと思われる。
仮にその会社が100億円達成すると、
自動的に人々のGNH(国民総幸福量)が
これだけ上がるなどの因果関係は、
まず証明することは不可能だ。

それでも、売上高を伸ばそうと企業が
努力することは、結局は必要不可欠な
ことである。

企業が掲げる「ミッション」や「パーパス」を
実現するためには、モノなりサービスなりを
通じて世の中に価値を届け続けなければ
ならない。

そうやって経営を続けるためには、
続けるための原資が必要不可欠となる。
つまり、それは利益である。
そして、利益を出そうと思ったら、
大前提として売上が必要不可欠になるのだ。

つまり何が言いたいか。
売上高を、唯一絶対の「目的」とすることは、
明確に誤りである。
しかし、売上高を、「パーパス」達成の
ための「目標」の一部として捉えることは、
間違いなく重要なことである。

売上高を「目的」とするかのような
某社の社長の言動を聞き、
このようなことをつらつらと考えた次第。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。