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「特徴的なブランド資産」とは

2ヶ月ほど前に、同じようなタイトルで
記事を一本書かせてもらいました。

きっかけは、世界的なリサーチ会社
Ipsos(イプソス)社のレポート
読んだことでしたが、ここでいう
「特徴的なブランド資産」という
概念自体は、南オーストラリア大学の
バイロン・シャープ教授が、その著書
『How Brands Grow』の中で紹介して
広まったものだと認識しています。

元の英語では「Distinctive Assets」
表現されるこの概念は、消費者が
ブランドとそれをすぐに結び付けて
くれる、ブランド名以外の「何か」

なのですね。

その「何か」には、以下のような
ものが含まれます。

・色(単色、色の組み合わせ、色と形の組み合わせ)
・言葉(キャッチコピー、フォント等)
・顔(キャラクター、セレブリティ、スポークスパーソン)
・形(ロゴ、商品の形状、店舗の見た目等)
・物語(広告要素等)
・音(ジングル、テーマソング、効果音等)
・その他(におい、触感等)

これだけ見ても、抽象的で分かりにくい
だろうと思いますので、少し例を挙げて
いきましょう。

まず、「色」であれば、
「ティファニーブルー」というと、
あのティファニーが使っている
パステルの上品なライトブルー
思い浮かべると思います。
逆に、あのライトブルーを見ると、
ティファニーのブランドを
思い出しませんか?

次に、「言葉」はどうでしょう。
CMのキャッチコピーで一世を風靡した
ようなものがこれにあたります。
「お口の恋人」と言われたら
「ロッテ」
を思い出すでしょうし、
「お、値段以上」と言われたら
「ニトリ」
を思い出しますよね。
この二つについても、
逆もまた成り立ちそうです。

「顔」は飛ばして「形」に行きます。
これが今日の本題ですが、冒頭に
コメダ珈琲の写真を載せました。
これをパッと見て、仮にもし看板にある
「喫茶所コメダ珈琲店」の文字が、
「喫茶所ヤマダ珈琲店」だったとしたら、
皆さんはこの店をどのように認識する
でしょうか?

恐らくは、多くの人が、看板の文字に
頼ることなく「あっ、コメダだ!」
脳内で反応するのではないかと推測
します。
それは、山小屋風の店舗外観デザイン
並びに色使いの組み合わせで、独特の
特徴を帯びた「特徴的なブランド資産」
が形作られている
からにほかならないの
ですね。

この「特徴的なブランド資産」があると、
ブランドコミュニケーションの効率が
アップ
して、非常に好都合です。
ブランド名を連呼しなくても、
その「資産」が勝手に働いてくれる
イメージ
ですね。

だからこそ、そのブランド資産を無断で
借用しようとする人もいます。
実際に、「コメダ珈琲」の外観をまねた
「マサキ珈琲」という店が、コメダに
訴えられたという事案
があるのです。

この「資産」を築くのに、コメダ側は
何十年もかかっていますから、
簡単にマネをされて、集客の面で妨害
されてはたまりません。

逆に、何十年もかけて築いたからこそ、
それは立派な参入障壁として機能し、
長い間の努力が報われる、そんな面が
ある
とも言えるでしょう。

ブランドで上手に商売しようと思ったら、
この「資産」形成を頑張ろう!

ということになるわけです。

ちょっと分量が長くなってきたので、
続きは稿を改めさせていただきますね。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。