続「特徴的なブランド資産」とは
昨日の話を少しばかり続けたいと
思います。
消費者がブランドとすぐに結び付けて
くれる、ブランド名以外の「何か」を
「Distinctive Assets」あるいは
「特徴的なブランド資産」と表現します。
そして、具体的には、以下のようなものが
含まれるとご説明しました。
前回は「形」まで説明したので、
次は「物語」からですね。
「物語」をブランド資産にしている例
としてパッと思い浮かぶのは、
パタゴニアやボディショップといった、
環境問題の解決を自らのミッションと
して創業以来努力を継続している
ブランドたちです。
パタゴニアは創業以来、製品の製造過程で
環境に与える影響を最小限に抑えようと
努力し、リサイクル素材の使用や、環境
保護活動への積極的な参加をすることで、
消費者に強い共感を呼び起こしているのは
ご存知の方も多いでしょう。
ボディショップは、動物実験に反対すると
いう強いポリシーを持っています。
また、「援助ではなく取引を!」をモットーに
したプログラムを通じて、発展途上国の
コミュニティを支援し、貧困をなくすための
実効性ある取り組みを行っています。
こういった「物語」は、人々の記憶に
残りやすく、そのブランドを特徴づける
資産として認識されやすいですよね。
次の「音」というのも、特定のブランドと
紐づいて認識されると、強力な資産として
効果的な働きをしてくれます。
いわゆる「ジングル」と呼ばれるものが、
正に「音」の資産ですよね。
例えば、マクドナルドの
「♪トゥルットゥットゥットゥ」
というジングルは、最近彼らのCMに出演
する人が口ずさむ、というのがお決まりの
パターンになっています。
誰が口ずさんでも、今や
「あっ、マクドナルドだ!」と認識できる
ほどに、誰もが知っていますよね。
それから、ネスカフェの
「♪ダバダー」という音楽もまた、
誰もが「あっ、ネスカフェだ!」と認識
できるジングルですよね。
こうしたジングルなどの「音」の資産も
また、ブランド名がないところでも
ブランドを想起させることができたり、
ブランド名と一緒にコミュニケーション
することでより一層ブランドに対する
認知や興味度合いを高めることができたり、
といった具合に「使える」わけです。
「特徴的なブランド資産」とは何ぞや、
というのが、概ね伝わったでしょうか?
この資産、厄介なのは、一朝一夕には
作れないところにあります。
地道に資産を積み上げていく根気と
割り切りが必要だと言えるでしょう。