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「ユーチュー婆」に見る、働くことの意義
今や日本は「高齢化社会」のステージを
過ぎて、「高齢社会」と言われています。
どんどん高齢化が進んでいる、という
よりも、既に高齢の方々が一定の割合を
超えているということです。
一般に、高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」と呼んでいる。
そのような状況下、海外から人を取ら
ねば労働力が足りないということで、
東南アジアを中心とする国々から、
日本へ出稼ぎに来てくれる人たちに
頼るような状態が続いています。
しかし、今回の「103万円の壁」問題
でも分かった通り、工夫次第でもっと
日本人の雇用を増やすことは十二分に
可能なのですよね。
扶養の問題で「103万円」までしか
働きたくない人たちは、税金面の問題
さえ解消すれば、喜んでもっと働いて
くれることでしょう。
「103万円の壁」問題になると、
子育て世代の主婦がその枠内で、
という話がどうしても多くなりますが、
労働力不足の問題に関しては
60歳や65歳定年の見直しについても
論点になっています。
今の60代、70代は、昔に比べて非常に
若いですから、まだまだ働けるはず
なのですよね。
しかも、働きたいという意欲があるなら、
意欲のない若者よりもよほど効率よく
働いてくれる可能性は高いわけです。
高齢者の労働意欲に火をつけた事例と
しては、徳島県上勝町における
「葉っぱビジネス」のことがつい
思い出されます。
限界集落のおばあさんたちが、
その辺に落ちている葉っぱを拾い、
キレイなものだけ選別して
京都の料亭に卸すというビジネスを
始めたら、町が奇跡の復活を遂げた
事例として、本にもなっています。
世の中の役に立たない、そう思っていた
高齢者の方たちが、自分の仕事に高い
価値を感じてくれる人たちがいるという
ことに気づいて、やりがいを感じながら
自分たちでできることをやっていくの
ですね。
先日、某広告代理店さんにお招き
いただき、今どきの働き方について
様々な知見を学ぶ機会があった際に、
別の事例として知ることができたのが、
タイトルにも載せた「ユーチュー婆」
の姿でした。
ベタなダジャレではありますが、
なかなかうまい名づけですよね。
社会の役になど立たない、立てない、
そのように思い込んでいる高齢者が
少なくないかもしれません。
しかし、そんなことはないのです。
必ず誰もがどこかで誰かの役に立てるはず。
そして、何より大切なのは、おばあちゃん
たちが働くことを通じて変化変容を遂げ、
笑顔の絶えない元気いっぱいな生活を
楽しんでいるということなのです。
「働く」とは「傍を楽にする」こと、
つまりは関係している周りの人たちを
楽しく、幸せにすることだと言いますが、
これは本当に本質的な指摘ではないか、
そんなことを感じた次第です。
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