どんな人材投資を行っていくかの方針を決める
某社の社員研修をお手伝いする機会に
恵まれ、久々にJALの国内線に乗って
福岡へと出張してきた。
選抜された30名ほどの社員の方々に、
商品開発に関する研修を行うというのが
ミッション。
伺った会社では、新しい商品をいかに
開発するかにあたり、より体系的な
アプローチを取り入れていきたい、
とのことで、私の知識と経験をご提供
することになったのである。
事前に状況を軽く伺った上で、
どのような研修内容にするのかを
デザイン。
何度かの調整を経て内容を固め、
本番に臨んだ。
研修を受ける若手選抜社員だけが
聞き手かと思いきや、幹部の方々や、
選抜社員の上司にあたる方々も一部
参加されて、合計40名ほどに。
思いのほか賑やかな状況に驚いたが、
やることは変わらない。
「受講者を眠らせたら負け」との
気持ちで、4時間ほどの研修に全力を
尽くした。
後日、受講者からのレポートが共有
されるとのこと。
私自身のパフォーマンスがいかほど
だったのか、評価を楽しみに待ちたい
ところである。
改めて、研修にここまでお金と時間を
かけるというのは、経営判断として
なかなか凄いなと思わされた。
研修を受けている間は、通常業務が
ストップするわけで、その間の給料は
もちろん、機会損失もそれなりの額に
のぼる。
そしてそれが、受講対象の若手だけでは
なく、経営幹部層まで含まれるのだ。
それだけ、商品開発力の向上にかける
会社の強い意気込みを感じる訳で、
研修を受け持った側としては、
大変に身の引き締まる思いである。
基本的に外資系企業中心で、
何度も転職を経験してきた私の場合、
会社が多大な投資をした研修を受ける
機会は、比較的少なかったように思う。
日本企業できっちり研修を受け、
OJTもしっかり経た人を、
外資系が高値でかっさらう!
みたいな批判を聞くこともあったが、
あながち間違いではない。
取られる側としては、
「こんなにお金と時間をかけて
育ててきたのに!」
という思いに駆られるのも
やむを得ないところ。
とはいえ、自ら投資するよりも、
既に他企業が十分に投資をしてくれて、
一人前と言える状態に育った人材を
採用する方が効率的だという考えにも、
これまた一理ある。
研修に投資しない代わりに、
給与の部分で魅力ある提示をする。
お金のかけどころが違うだけ、
そういう考えもまた合理的だと
思うのだ。
研修に投資をするにせよ、
給与待遇面で好条件を提示するにせよ、
業績をより良くしていくためには
人材が要であるという考えにおいて、
両者は共通している。
優秀な人材をどのように獲得し、
定着させていくか。
AIが、多くの業務を人から奪って
いくと目される昨今、この人材に
関する方針をいかに明確に設定し、
実現していくかが益々重要になって
くるものと思われる。