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代表「取り乱し」役と「取締」役、ワンセットで機能する

去る木曜日の夜は、楽しみにしていた
オンライン(ZOOM)セミナー。
以前にもこちらで紹介した、
ケルビー・バードの著書
『場から未来を描き出す』
を監訳した山田夏子さん。
彼女の監訳出版記念セミナーが
行われた。

普段、彼女は様々なセミナーの場で、
グラフィック・ファシリテーション
(通称「グラファシ」)の仕事を主に
している。
つまりは、絵を描きながら場を仕切る、
絵を描きながら議論を促進する、
そういう役回り。

しかしながら、今回はご自身のことを
「自分のことをしゃべるなんて珍しい」
と自らおっしゃる程、色々と振り返り
ながらお話ししてくださり、これまでの
歩みを改めて伺う貴重な機会となった。
彼女がグラファシにかける熱い思いも
聞くことができた。
「本気で頑張る人を馬鹿にしない社会」
を実現すること、その思いに、非常に
共感するところである。

主催してくださった松林さんという方
が、その熱い思いを指してだと思うが
「コテコテ」、「脂っこい」という
ややもするとネガティブに受け取られ
かねない形容詞を多用しつつも、その
表現の中に深い友愛と信頼を感じさせ
る合の手で、そんな軽妙なやり取りも
楽しいひと時。

株式会社しごと総合研究所
「代表取り乱し役社長」
ですとの挨拶から始まったセミナー、
それを取り締まるパートナーの
「おゆみさん」こと伊澤佑美さん
との関係性の一端も今回初めて伺う
に至り、その話がとても興味深いと
感じた。

元々、ほぼ個人事業的に、グラファシを
用いて組織開発のコンサルティングを
10年程やられてきたそうだ。
そこへ今年の2月、伊澤さんが加入する
も、すぐにコロナ禍に突入。
何でもかんでもオンライン化!という
激流に飲まれず、むしろその流れに乗る
ことができたのは伊澤さんがいてくれた
お陰だったのだという。

山田さんが、ビジョンや目的に向かって、
真っ直ぐに突っ走っていく。
それが、ややもすると「取り乱し」ながら
爆走していくようなのだ。
言い方を変えれば、リーダーシップの
発露そのもの。
それを、伊澤さんが「取り締まり」ながら
伴走していく。

漫才で言うとボケとツッコミにあたる
二人の関係。
会社経営の話なので、カリスマと大番頭
という比喩の方がより相応しい。
となると、今や日本を代表する企業の
草創期におけるサクセスストーリーが
つい思い浮かぶ。
ホンダの本田宗一郎氏と藤沢武夫氏。
ソニーの井深大氏と盛田昭夫氏。
それ以外にも多々あるが、やはり企業の
発展、ビジネスの発展には、異なる個性
がぶつかり合い、互いに補完しあって、
よろめきながらも前へ前へと進んでいく、
そんなプロセスが付いて回るのが健全
な在り方なのだろう。
そんな感慨を持ったのだった。

セミナーの中で他に気になったキーワード
として、「プロセス指向心理学」という
のがある。
『場から未来を描き出す』が依拠している
「U理論」とも共通するところが多そうだ。
それによれば、世の中には、以下の3つの
「現実レベル」があるのだという。

①合意的現実レベル:目で見て分かる
②ドリーミングレベル:目には見えないが、言葉で表現できる
③エッセンスレベル:まだ言葉にすらなっていない、例えば胸騒ぎ、モヤモヤ、暗黙知、慣習といったもの

そして、グラファシというのは、この
②や③を「見える化」することだという
のである。
長くなってきたので今日はこの辺で止め、
後日この「プロセス指向心理学」に
ついては深掘りをしたいなと思う。



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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。