マカロンのサブスクリプションにニーズはあるのか?
先日マカロンを購入したダロワイヨ。
たまたま昨日、店舗の前を通り過ぎた
際に、
「マカロンのサブスク始めました」
というメッセージがボードに書かれて
いるのを見つけた。
後で調べようと思ってその場はすぐに
離れたのだが、歩きながら
「マカロンをサブスクで提供するって
どれだけ顧客ニーズがあるのだろう?」
と甚だ疑問に感じていた。
ということで今日、改めてGoogle先生
に調べてもらうと、ダロワイヨの
ことは全然引っ掛かってこないでは
ないか。
そこで発見したのは、個人的に御三家
と考えているうちの2つ、
ピエール・エルメとラデュレが、
既にサブスクを始めていたという
事実。
まずピエール・エルメ。
2018年4月に、9か月間で56,160円払うと、
毎月季節のスイーツが送られてくると
いうサービスを開始したとのこと。
これは、マカロンだけではなく、
夏はアイスクリーム、冬はティータイムに
合ったものというように、季節性を重視
したサブスクだ。
このように、延々とマカロンが送られて
くるのではなくて、あくまで季節の
スイーツのサブスクだということで
あれば、魅力を感じるお客様もそれなり
にいらっしゃるように思う。
しかし、これがひたすらマカロンだけ
という話だとすると、お客様視点で
考えたときに飽きが来やすいのでは
ないかという懸念が真っ先に頭の中に
もたげた。
それなりに話題性のある新作を
ずっと出し続けることも間違いなく
難しいわけで、やはりバリエーション
豊富な「季節感」をメインに据えた
コンセプトの方が、お客様の引きも
良いはずである。
しかしながら、月々6,000円強という
お値段が高かったのか、
今オンラインブティックを訪れても
このサブスクのページは閉じられており、
恐らく一回こっきりで後が続かなかった
ものと思われる。
もう一方のラデュレ。
こちらは、2019年の12月にオープンした
ラデュレ渋谷松濤店限定のサービスと
して、月々10,000円のお支払いで紅茶が
飲み放題になる、というもの。
更にもう10,000円足すと、マカロンが
二つ付いてくるのだ。
但し、こちらのサブスクには条件が
ついており、
「満40歳以上」かつ
「午前10時半から12時まで」
という結構高いハードルが課される。
記事タイトルにもある通り、
松濤のお屋敷にお住いのリッチな
マダムを狙い打ったサービスなので
あろう。
あまりお客様の入りがよくないで
あろう時間帯に絞り、そんな時間
でも来てくれそうな顧客が誰かを
想像して、サービス設計を行った
のかもしれない。
しかしながら、こちらについても、
今年に入ってすぐにコロナの影響
をもろにかぶっていることが推測
されるため、今でもこのサブスク
サービスを続けられているのか、
かなり怪しい。
残念ながら、事実確認は出来て
いない。
ということで、ダロワイヨの話に
戻る。
先発隊であるエルメもラデュレも、
恐らくサブスクはうまく行っては
いない。
それでも今からサブスクを始めよう
というのは、何らかの勝算があって
のことだろうと思うが、彼らの
サイトを見ても詳細が載っていない
ために現時点では評価できない。
「みんなやってるからうちも」
「サブスクが来てるらしいから」
というような中途半端な考えで
始めると、間違いなく続かない。
サブスクという形態は、
定期的にサービスを届けることが
お客様にとってメリットがある
ときにのみ、意義あるものとなる。
「100万曲聞き放題」の音楽サブスク、
「1万作品見放題」の映画サブスク、
「1TB(テラバイト)継続使用」の
データストレージサブスク、、、
これらのように、毎月の定期課金が
サービスと自然に結びついている
ならばよいが、やはりマカロンを
月々の定期課金に結び付けるには
それなりの「コンセプト」がないと
厳しい。
客観的に見ると、このようにとても
厳しい評価をせざるを得ないが、。
やはり、サブスクはあくまでも
「手段」であって、サブスクでやる
ことを前提にサービス設計をすると
いうのは、「目的」と「手段」が
ひっくり返ることになってしまう。
そんなことを、ダロワイヨで見かけた
ボードから考えた連休初日であった。