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商品開発のお手本事例

日々のメモや、自学自習用に、
コクヨのCampusノートを愛用
している。
最も手に入りやすく、値段も手頃、
最近は罫線にドットもついて
申し分なしの使いやすさ。
他のノートに浮気する理由が
今のところ見つからない。

そのコクヨから発売された、
新しい型の『修正テープ』
大ヒットを飛ばしているという。

ヤフーニュースでも取り上げられた
ので、かなり多くの人にリーチした
はずのこの記事。
読み進めると、正に商品開発のお手本
のような事例
としてとても参考になる。
非常に地道に、オーソドックスな
開発過程を経たからこそ、消費者の
心のど真ん中を射抜いた、そんな
感想を持つ。

この商品のコンセプトは、
小さなパッケージの中に、
見事に詰め込まれて表現されている。

商品名を
『ノートのための修正テープ』
とすることで、
ターゲットとするユーザーは、
ノートの書き間違いなどをテープで
修正したい人だと即座に分かる。
手帳やスケジュール表ではない。
メモ帳、メモパッドでもない。
ハッキリと「ノート」に絞り込んで
いる。

そして、その商品名のすぐ下に、
「B罫用 幅5.5㎜×長さ6m」
というスペックがある。
この「B罫用」というのが、
「ノートのための」という商品名と
呼応する関係にあるのはお分かり
いただけるだろう。
すなわち、罫線の幅が6㎜あるBタイプの
ノートに使うのに最適なのだ。

この、ノートの罫線幅に合わせた仕様
というのが、ユーザーの声を丹念に
拾い上げた結果を反映している点に
おいて、非常に秀逸。
罫線が消えないように配慮することで、
修正部分が目立たなくなる
のである。

そして、この罫線幅に合わせた仕様と
併せて、最大の売り/ベネフィットと
なっているのが、修正テープそのものの
色味
である。
最も目立つ場所に、最も大きなフォント
サイズで、
「ノートの色に合うから、目立たない」
とうたっているところから、これこそが
最も強調したいポイントだと分かる。

この点も、罫線幅に合わせたのと目的は
同じ、いかに修正部分を目立たなくし、
「修正した」感を最小化する
ことにある。
記事にある通り、かなり丁寧にユーザーの
声を聞き取り、更には行動観察まで実施
した模様。

ざっくりと開発開始から上市までの過程を
まとめると、こんな感じだったことが
うかがえる。

まず、ユーザーの困りごとを現場確認
・直接ヒアリング
・使っている様子を観察
・使われているノートの確認/観察

それを踏まえてコンセプト策定+試作品アップ
・ユーザーに使ってもらってフィードバック
・開発試作と試用とを何度も行ったり来たり

社内で技術的な仕様の詰め

社内で上市計画の説明、説得

具体的な販促計画を反映させつつ上市

記事には、3年間という時間がかかって
いる旨のコメントもあった。
コクヨという体力のある大企業ならでは
の事例かもしれないが、少なくとも
ユーザーに対する丁寧なヒアリングと
行動観察を、情熱を持って実施している

点が、非常に素晴らしいと感じ入った。



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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。