たまご業界トップの異変
「てるたま」という名前の商品。
何の変哲もない、パック入りの
たまごであるが、昨日スーパーで
これを買い求めた際に、おっ!
と気が付いたことがあります。
それは、このたまごを販売している
会社の名前。
「お客様相談室」に続いて
「たまご&カンパニー㈱」
とあるのが見えるでしょうか?
というのが私の心の中における
反応でした。
そうなのです。
2024年2月1日付で、イセ食品は
商号変更を行っていたのです。
それにしても、イセ食品と言えば
たまご業界の最大手。
創業家の伊勢彦信社長は、
アメリカ進出で名を成し、
世界の「エッグ・キング」とまで
呼ばれた方として有名です。
ニューヨークで成功すれば、
全米を制することができる!
なおかつ、日本と同等の新鮮さで
たまごを売れば、絶対に成功できる!
そう確信して、ニューヨーク近郊に
工場を構える投資を決行し、
あれよあれよと全米No.1のシェアを
獲得することに成功されました。
そんな「伊勢」の名前を会社から
外すというのは、一体全体何が
起こっているのでしょうか?
たまご&カンパニーのサイトを見ると、
「存続会社」との言葉が出ています。
実は、イセ食品は2年程前に債権者から
会社更生手続を申し立てられ、
紆余曲折を経て民事再生手続が開始され、
このほどようやくすべて手続きが整い、
2月に新会社が再出発したということに
なるのです。
一体何があったのかを知る上で、
IT Media ビジネスオンラインで
興味深い記事を見つけました。
この記事によれば、
「たまご供給過剰問題」
すなわち人口減少時代にあって
需要量を上回る供給量がずっと
続いてきていることが、
問題の根にあるのではないか、
との鋭い問いかけがなされて
います。
慢性的に供給過剰な状況の下で、
過剰な多角化/拡大路線を取って
いたのではという指摘もあり、
それが債務超過の原因になった
可能性が高いようです。
素人目線では、コロナ禍が大きく
影響したのだろうと思うところ、
記事では「コロナ以前の問題」と
いう扱いだったのは意外でした。
加えて、創業家の内輪もめなども
あったのではないかとささやかれて
おり、実際はどうだったのかが
気になるところです。
更に加えて、業界トップのイセに
続いて2位だったアキタフーズが、
吉川元農水相に500万円を供与し、
贈賄などの罪に問われた件もあり、
鶏卵業界自体がどこか無理をして
操業を続けて来た「ツケ」が一気に
回って来たのかもしれません。
業界の圧倒的首位をひた走っていた
イセ食品ほどの会社でも、
こんなにあっさり法的整理にまで
行ってしまうのか、
そんな感慨を覚えた今回の社名変更
でした。