空白市場を狙ってポジショニングを確立する
昨日のnoteで、稲盛さんの「値決めは経営」を
取り上げたが、そこからの展開で、日経MJに
載っていたI-ne大西社長の記事について触れた。
その記事が主に話題にしていたのが、
「YOLU」(ヨル)
という新しいヘアケアブランド。
その名前が暗に示す通り、ヘアケアに
「夜」という時間帯を絡めたコンセプトの
ブランドである。
キャッチコピーは、
「夜が 私を 美しく」
「夜の間に キレイをつくる」
ということで、夜、寝ている間に
働いてくれるヘアケアというのが
ウリである。
マーケティングでは、よく
「ポジショニング」
という概念を使う。
お客様の頭の中で、どのような
立ち位置を獲得するか、
というような意味合いである。
ヘアケア(シャンプー)の場合、
・髪がサラサラになるシャンプー
・地肌がスッキリするシャンプー
・しっとりツヤツヤになるシャンプー
・髪が元気になるシャンプー
などなど、様々なメリットをうたう
商品が目白押しである。
その中で、自分のシャンプーは
どんなメリットを打ち出していくか、
消費者にどう思ってもらいたいかを
考える必要がある。
そして、そのメリットを打ち出している
商品群の中で、自分の商品こそが最も
そのメリットをお客様に体感させている、
そんな状態を導くことが理想だ。
「サラサラになるシャンプーと言えば」
「しっとりするシャンプーと言えば」
そう問われた時に、自分のシャンプーが
名指しされることを目指すのである。
そうなっていれば、ポジショニングが
確立していると言えるというわけ。
今回、「YOLU」というブランドが成功
しているのは、このポジショニング
戦略が見事に成功したから、という
ことであろう。
「寝ている間に髪をケアする」
そんなメリットをうたうブランドは、
「ありそうでなく空白地帯」
(大西社長)だったという。
スキンケアの世界であれば、
エスティローダーの「ナイトリペア」
など、夜の間に集中美容しますよ、
というコンセプトの商品は、それほど
珍しくない印象がある。
ヘアケアも、全くなかったわけでは
ないと思うのだが、少なくとも大手が
大々的に展開した例はなかったという
ことなのだろう。
敵のいない「空白地帯」で、
ボタニストで磨きに磨いたデジタル
マーケティングやブランディングの
ノウハウを惜しみなく投入し、
一気に「ナイトヘアケア」という
カテゴリーを創り出した。
そうして、
「ナイトヘアケアと言えばYOLU」
という確固たるポジショニングを
獲得したのである。
日経MJのインタビュー記事は、
他にも得るところの多い良記事で
あった。
大西社長は最近noteも始められて、
結構な分量の素晴らしい記事を
書かれている。
マーケターはもちろん、ビジネスに
携わるすべての人におすすめして
おきたい。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。