どうしても気になる「*」
一時期、ノンシリコンシャンプーが
流行ったことがある。
今もその人気は続いていると思われるが、
「ブーム」的に盛り上がった当時ほどの
勢いはないように思える。
ヘアケア市場での最近の注目株は、
やはりBOTANISTだろう。
発売元の I-ne が独自に編み出した
ブランド開発モデルについて、
ここでも紹介したことがある。
ノンシリコンに話を戻すと、
ブームの時にTVCMの大量出稿を
含め、一気に市場シェアを高めて
きたのがジャパンゲートウェイと
いう会社。
中でも、レヴールというブランドを
前面に押し出して、メディアでも
店頭でも露出度が極めて上がって
いたことを覚えている。
たまたまそのウェブサイトを見て、
このレヴールのキャッチコピーが
どうしても気になって仕方がない。
今日現在のトップページは、
髪をピンク色に染めた双子のモデルが
強いインパクトを放つ画像と、
2種類の商品(スムーズとリッチ)の
画像の間にキャッチコピーを入れ込んだ
ものとが、いわゆるカルーセル表示
(次から次へグルグル入れ替わること)
されている。
この、商品画像の間に収まっている
キャッチコピーを見て、思わず
吹き出してしまった。
再生*、わたし。
髪、うるおう。
フィトプロテイン。
*気持ちによる
「*気持ちによる」って、
どんな注釈だよ!
思わず画面に向かって、
激しくツッコミを入れてしまう。
「再生」という言葉が、薬機法上
極めて危ないワードだということで、
何らかの注釈を付けなければならな
かったという事情は分からなくも
ないところ。
とはいえ、「*気持ちによる」という
注釈を付けてまで、どうしてもこの
「再生」という言葉を使いたかった
その意図は、一体どこにあったの
だろうか?
きっと、このフィトプロテインという
特徴的な成分が、ダメージを受けた
髪の毛のたんぱく質を補修、再生する
ことに効果があるのだという「印象」を
与えたいのだろう。
しかし、この意味不明な注釈が付いたり、
薬機法のリスクを回避するために遠回りで
分かりにくい表現をせざるを得なかったり、
「再生」の一語をあきらめないがために
失っているものもまた大きいのである。
法規制回避のための注釈というのは、
もちろんどのメーカー、ブランドも
頻繁にやっていることだが、
解釈上の許容範囲スレスレを狙う
ようなケースも多い。
レヴールは、ある程度真面目に法律を
遵守する姿勢を見せているという意味
では、見ようによっては好感度が高い
という評価も可能だ。
それでもなお、今回の「*気持ちによる」
という注釈を入れてしまうセンスは、
個人的には残念なところ。
「再生」という言葉を使わずに、
「再生」をイメージさせる他の創造的な
方法を考案して欲しかったところである。