問題を認識する場所に入り込む
頻繁にポストインされているチラシ。
チラシに混じって、これまたよく
ポストインされているのが、写真に
あるマグネット。
水回りのトラブルを解決することを
うたうものだ。
昔、「くらし安心、クラシアン」
というCMをよく見た。
今もまだやっているかもしれない。
クラシアンも、同じようなマグネットを
よくポストインしてくる。
名刺ほどの大きさのこのマグネット。
ほとんどの場合は捨てられてしまう
だろうが、ふと水回りトラブルが
近い将来起こったらどうしよう・・
そんな不安にかられる人が一定の
割合でいるのだろう。
0.1%か、0.01%か、数値は知るべくも
ないが、それらの人がキッチンの
冷蔵庫だったり換気扇だったりの
マグネットが貼り付けられる場所に
貼ってくれる可能性にかけている
わけだ。
水回りのトラブルが起きるとき。
予兆があって、そろそろやばいの
では?!と思っている人も中には
いるかもしれないが、ほとんどの
場合は「寝耳に水」、突然にして
水漏れや詰まりが発生するものだと
思われる。
そんなときは、大抵の人は軽い
パニックに陥るのではなかろうか。
そんなとき、あのマグネットが
水回り付近に貼ってあると、
目に付く可能性が高い。
軽いパニックにある人が、
とにかく急ぎで何とかしなければ
ならない状況の下にあれば、
自然とそこに書いてある電話番号
にかける確率は高いだろう。
そういう状況を狙った上での
マグネット配布なわけだが、
問題が発生する正にその場所で
自社のことを思い出してもらえる
手段として、よく考え抜かれた
ツールだなと改めて感じた次第。
ちなみに、本当にペイしているのか
どうかが気になるところなので、
簡単にシミュレーションしてみる。
仮に1個5円で作れるとして、
100万枚作ると500万円。
これを戸別にポストインしていく
必要があり、そのコストも1個
あたり5円程度はかかるはず。
よって、トータル1,000万円。
この100万枚を配布するとして、
電話がかかってきて受注すると
いうケースが0.01%あるとすると
100件。
水回りの場合、受注1件当たりの
売上が結構な金額に上る可能性が
高いのだろう。
仮に100,000円とすると、
丁度1,000万円となる。
このシミュレーションだと、
コスト=売上になってしまうので
全く儲けが出ない。
受注確率を0.015%、0.02%といった
具合に上げていくか、
あるいは受注1件当たり金額を
より高めていくか、
いずれかあるいは両方を実現する
必要がある。
更に言えば、1件100,000円もの
平均単価を実現するのは難しい
可能性も高いので、いわゆるLTV、
生涯顧客単価で見て、トータルで
ペイすることを目指す形である
可能性が高い気がする。
今日たまたまポストに入っていた
マグネットから考えたことを
つらつらと書いてみた。