OGSMのピラミッド
外資系企業でよく使われる
フレームワークの一つに、
OGSMというのがある。
これは、
Objective 「目的」
Goals 「目標」
Strategy 「戦略」
Measurement 「評価」
の頭文字を取ったもの。
事業運営をしていく上で、
非常に便利なツールと言える。
会社によって時期は異なるが、
ある一定の時期に「来期の計画」を
立てるという事情はどこも同じで
あろう。
数週間、場合によっては数ヶ月もの
時間をかけて検討を重ねるわけだが、
その際に、これらの言葉が頻繁に
議論されることとなる。
「目的」は、基本的には中長期で
変わらない、会社の目指すべきもの。
よく北極星になぞらえる。
「目標」は、「目的」をもっと小さな
ステップに区切ったもの。
道標の「標」という言葉を使っている
ところから分かる通り、途中で目印の
役割を果たしてくれる中継地点。
「戦略」は、現在地から目的地へ行く
ための道筋を決めること。
色々な道を選ぶことができるが、
どの道を行くのが最も良いか、
他の可能性を捨ててどれかを選び取る
ことと言えるだろう。
四つ目の「Measurement」は「評価」、
意訳すれば「KPI」(重要経営指標)の
ことを指すと考えることができる。
しかし、別の言葉をあてがう考え方が
あるのを知った。
即ち、「Measures」=「戦術」ないしは
「施策」という言葉を充てるのである。
こうすると、
「目的」と「目標」
「戦略」と「戦術」
という形で、2個1組の仲良しセットになる。
そして、上の組織階層におけるOGSMのS、
つまり「戦略」が、下の組織階層のO、
つまり「目的」にあたると考えることで、
組織における戦略の落とし込みを非常に
論理的に展開できるのだ。
架空の例を使って考えてみる。
ある食品会社のマネジメントチームが、
「目的は、日本人の健康をサポート
すること」
と定義したとしよう。
そのためのに、いくつかの細かな
「目標」を立て、それを達成するための
「戦略」として、「日本人の腸の健康に
特化した研究開発と商品提供を行う」
と決める。
この「戦略」が、下部組織に「目的」と
して下ろされることになる。
「日本人の腸の健康をサポートする」
という「目的」を、細かく「目標」へと
分解し、それぞれをクリアするために
「戦略」を立てていく。
例えば、「腸の細菌の働きに着目する」
かもしれないし、「腸と血液の関係に
着目する」かもしれない。「腸活という
概念を普及させる」というものになる
かもしれない。
その組織に更に下部組織があるなら、
そこで立てた「戦略」が、下の組織の
「目的」となって下ろされる。
そうやって、下へ下へと下ろしていく
ことを「カスケイドダウン」と呼ぶ。
下へ下へと広がっていくイメージなので、
ピラミッド構造と言ってもいい。
シャンパンタワーのように、トップに
シャンパンを注ぐと、次々と下へ下へ
こぼれ落ちていく様子をイメージすると
より分かりやすいかもしれない。
ピラミッド構造だと、下へ下へと広がって
行くイメージなるわけだが、
大谷翔平選手の場合、真ん中に目的が
あり、目標が四方八方に広がっていく
「マンダラ」チャートを用いている
そうだ。
来週、早くも12月が始まる。
個人の2022年版OGSMを作るための
スケジュールを決めねばと思いつつ、
日があっという間に過ぎる。
週末の宿題としよう。